アポトーシスにおけるミトコンドリア膜透過性亢進因子の同定とその分子機構の解明
Project/Area Number |
14028036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 重臣 大阪大学, 医学研究科, 助教授 (70271020)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
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Keywords | アポトーシス / ミトコンドリア / Bcl-2 / 膜透過性亢進 / 放射線 |
Research Abstract |
ミトコンドリアの膜透過性変化はアポトーシスのシグナル伝達に重要な役割を果たしている。また、この透過性はBcl-2ファミリー蛋白質によって主に制御されている。そこで、1)放射線や抗癌剤刺激を加えた際のミトコンドリア膜透過性亢進因子を同定する、2)アポトーシス促進型Bcl-2ファミリー蛋白質であるBid/Bikグループのミトコンドリア上のターゲット分子を同定する、を課題として研究を行った。その結果、1)放射線を照射したマウス胸腺由来の細胞質画分からミトコンドリア膜透過性亢進因子の単離同定に成功した。実際、このミトコンドリア膜透過性亢進因子をリコンビナントで作製し単離ミトコンドリアに添加すると膜透過性が亢進しシトクロムc漏出が観察された。また、放射線を照射したマウス胸腺から調整した細胞質画分に中和抗体を添加すると、ミトコンドリアからのシトクロムc漏出が緩和された。正常細胞の細胞質中には本蛋白質は認められなかったが、放射線等のDNA障害が加わると、細胞質中に観察されるようになった。さらに、anti-sense法により本蛋白質の発現レベルを抑制したり、中和抗体をマイクロインジェクションしたりすると、放射線誘導性アポトーシスは顕著に抑制された。以上より、我々が同定したシトクロムc漏出促進因子は、放射線誘導性アポトーシスのシグナル伝達に重要な役割を果たしているものと考えられた。2)に関しては、Bid/Bikに結合するミトコンドリア蛋白質を免疫沈降法により同定した。本蛋白質はミトコンドリア内膜に存在する蛋白質のホモログである。他のBcl-2ファミリー蛋白質との結合を調べると、Bcl-xやBakとの結合も確認された。現在、本蛋白質の機能解析中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)