白血病関連発がん遺伝子産物によるBim/Dlc複合体機能抑制メカニズムの解明
Project/Area Number |
14028042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
稲葉 俊哉 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60281292)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
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Keywords | CML / apoptosis / Bim / cytokine / Bc1-xL |
Research Abstract |
慢性骨髄性白血病(CML)の病態を検討する目的で体内の白血球の総数を調節する機構を解析した。マウス骨髄初代培養細胞系を用いて、正常マウスからSca1+cKit+Lin-細胞(初期造血前駆細胞)とSca1-cKit+Lin-細胞(後期造血前駆細胞)を増幅・単離した。サイトカイン非存在下では初期前駆細胞では終末分化することなく24時間以内に死滅するのに対し、後期前駆細胞では終末分化を伴い48時間以上細胞が生存した。そこでサイトカイン非添加時の初期、および後期前駆細胞におけるBc1-2ファミリーメンバーの発現変化を検討したところ、Bc1-xLの発現レベルは不変、Bc1-2は速やかな減弱を見たが、Bimの発現レベルは5倍程度に誘導された。またBc1-2とBc1-xLの発現が後期前駆細胞では初期前駆細胞の5〜10倍の高いレベルであることが、サイトカイン欠乏時のアポトーシス誘導感受性の相異の一因であると考えられた。一方細胞株を用いた実験ではBcr-Ab1キナーゼがBimの発現を抑制した。またCMLモデルマウス(Bcr-Ab1トランスジェニックマウス)由来の初期造血前駆細胞では正常同胞マウス由来の細胞に比較してサイトカイン非存在下での著明な生存期間の延長が認められ、この効果はSTI571により抑制されたが、後期造血前駆細胞では明らかな相異は認められなかった。これらの細胞ではサイトカイン欠乏によるBc1-2の発現低下は認められたが、Bimの発現誘導は認められず、STI571存在下でBimの発現誘導が認められた。以上の結果よりBcr-Ab1がサイトカイン欠乏時のBimの発現誘導抑制を介してアポトーシスを抑制していることがCML発症の一因であることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)