血管新生抑制因子caspin/PEDF/EPC-1の分子機序と抗腫瘍効果の解析
Project/Area Number |
14028062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
小崎 健一 愛知医科大学, 医学部, 助手 (50270715)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
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Keywords | capsin / REDF / EPC-1 / 癌湿潤・転移 / 術後再発 / 血管新生 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
本研究の目的は、癌の治療を困難にし、予後を大きく左右する転移と術後再発の制御である。 細胞外マトリックス分子に結合し得る分泌蛋白質の検索によって、コラーゲン結合性セルピンcaspin(collagen-associated serpin)を独自に見出したが、近年、caspin/PEDF/EPC-1は新規血管新生抑制因子として注目されつつある。本研究では、新たな癌治療法の確立をも視野に入れつつ、生理的血管新生抑制因子caspinによる抗腫瘍効果の検討と分子機序の解明を試みた。 caspinによる抗腫瘍効果については2つの皮下移植自然転移モデル系を用いて解析し、caspinが腫瘍組織における血管新生を抑制する事によって腫瘍増殖や血行性転移を有意に抑制し得るが、リンパ行性転移については抑制しない事を明らかにした。また、一部の癌細胞株においてcaspinの発現が確認されたが、低酸素培養で発現低下することから、固形腫瘍組織内部の低酸素環境下ではcaspinの発現は低下していることが推測された。 一方、マウス胎仔組織についての詳細な検討によって、胎発生期の骨・軟骨組織におけるcaspinの特異的な組織分布とダイナミックな発現変化を、さらに、マウス未分化細胞株ATDC5を用いた解析では、caspinの発現が軟骨骨化様の分化誘導によって著しく低下し、VEGF等の発現が増大する事を明らかにした。以上の解析結果から、無血管組織である軟骨の組織形成過程や内軟骨骨化における血管侵入抵抗性から許容性へのスイッチングの分子機序には、生理的な血管新生促進因子と抑制因子の発現バランスによる巧妙な調節機序が存在し、caspinが同機序の重要な制御因子として関与している事が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)