がん細胞で生じる染色体不安定性を引き起こす分子機構の解明
Project/Area Number |
14028063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
深川 竜郎 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教授 (60321600)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | がん化 / 染色体不安定性 / セントロメア / 坊錘体チェックポイント / DT40細胞 / CENP-A / CENP-I / ZW250 |
Research Abstract |
染色体が安定に次世代細胞へと受け継がれていくことは、生物にとって最も基本的な性質である。染色体分配機構に狂いが生じると、染色体の異数化、がん化など生物に対して重大な悪影響が生じる。染色体の不安定性に関する基礎知見は、がんの生物学的特性を理解する上で重要である。我々はがん化と染色体不安定性の関係を理解するために、各種セントロメアタンパク質の機能解析を行っている。本年は、CENP-A、Mis6/CENP-1の進化的に配列が保存されたセントロメアタンパク質および、我々が新規に同定したタンパク質ZW250のノックアウト細胞を樹立して、セントロメアの形成機構ならびに細胞周期における機能を明らかにすることを目的とした。CENP-AとCENP-1の条件的ノックアウト株が作成でき、ZW250ノックアウト株の作成が進行中である。 作成したノックアウト細胞についてはtetを添加した制限条件下で、細胞増殖の有無、細胞周期の進行や小型化染色体の安定性、微小管タンパク質や紡錘体チェックポイントタンパク質の異常、特殊顕微鏡装置を用いた生細胞観察、他のセントロメアタンパク質の細胞内局在等を解析した。その結果、CENP-1は、CENP-Aのセントロメアの局在へは関与せず、CENP-Cや-Hの局在へ関与することがわかった。また、CENP-1のノックアウト細胞は、BubR1に依存したチェックポイントタンパク質の活性化により細胞分裂期の進行が遅延することもわかった。さらに、特殊顕微鏡装置を用いた生細胞観察により、CENP-1タンパク質が失われた細胞の1細胞レベルでの挙動の可視化に成功した。異常微小管の形成過程をリアルタイムで観察でき、細胞分裂期での正確な遅延時間(800分)を計測することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)