DNA依存性プロテインキナーゼを利用した放射線感受性予測と放射線増感
Project/Area Number |
14030019
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
細井 義夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50238747)
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
|
Keywords | 放射線 / DNA修復 / 癌 |
Research Abstract |
放射線によりDNAには様々な損傷が生じるが、細胞の生死にとって重要なのはDNA2本鎖切断であることがわかっている。DNA2本鎖切断は非相同的末端結合機構と相同的組換えにより修復される。このうち、人間の細胞では主に非相同的末端結合機構により修復が行われることが報告されている。非相同的末端結合機構の最初のステップであるDNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)の活性がPI3-キナーゼ阻害剤の1つwortmanninにより阻害され、放射線感受性が高められることを報告した。さらに、我々は培養食道癌細胞の放射線感受性とDNA-PK活性の間に相関関係が認められることを明らかにした。DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)活性と放射線感受性に相関があるかどうかを検討する目的で、食道癌と大腸癌を用いて正常組織と癌組織の間でDNA-PK活性に違いがあるかどうかを検討した。術前未治療の食道癌14例を検討した結果では、正常組織と癌組織の間でDNA-PK活性に有意な違いは認められなかった。術前未治療の大腸癌12例で検討した結果、12例中11例で癌組織においてDNA-PK活性が高かった。DNA-PKを構成するKu70、Ku80、DNA-PKcsの蛋白質量mRNA量を調べた結果、Ku70、Ku80は全例において、DNA-PKcsは12例中11例で癌組織の方が正常組織より発現が高かった。また、DNA-PK活性とKu70、Ku80、DNA-PKcsの蛋白質量・mRNA量には有意な相関関係が認められた。さらに、Ku70、Ku80、DNA-PKcsの蛋白質量は相互に有意な相関関係が認められた。以上のことから、大腸癌ではDNA-PKの転写レベルの調節によりDNA-PK活性が高く、それが放射線抵抗性の原因となっていることが推測された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)