新規アンプリファイヤーによる抗がん剤の細胞死誘導増強と協奏的DNA認識機構の解明
Project/Area Number |
14030037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
川西 正祐 三重大学, 医学部, 教授 (10025637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平工 雄介 三重大学, 医学部, 助手 (30324510)
及川 伸二 三重大学, 医学部, 講師 (10277006)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | アンプリファイヤー / ディスタマイシンA / C1027 / DNA切断 / 塩基特異性 / 分子認識 / アポトーシス / テロメア |
Research Abstract |
多くの抗がん剤はDNAを切断し、アポトーシスを誘導することによりがん細胞を死滅させる。しかし、化学療法において、抗がん剤の副作用や薬剤耐性の発現は極めて重要な問題である。アンプリファイヤーとは、DNAに結合してその構造を変化させ、抗がん剤の作用を増強する薬剤である。アンプリファイヤーの開発により、少量の抗がん剤で副作用を軽減しながら、有効ながん治療を行うことが可能になる。本研究では、特にエンジイン系抗がん剤C1027によるDNA切断およびアポトーシスに対するDNA結合物質(マイナーグループ結合物質)ディスタマイシンAの増強効果について解析した。C1027によるヒト培養細胞のアポトーシスは、ディスタマイシンAの添加により増強された。ヒト遺伝子DNAにおいて、C1027単独ではAあるいはTの連続した配列で二重鎖切断を起こしたが、ディスタマイシンAにより特に5'-AGGG-3'/3'-TCCC-5'の配列における切断が顕著に増強された(下線はDNA切断が増強された塩基を示す)。さらに、ディスタマイシンAはヒトテロメア繰り返し配列(5'-TTAGGG-3')を含むDNAにおいても5'-AGGG-3'配列でDNA切断を増強するという注目すべき知見を得た。以上の結果から、ディスタマイシンAとC1027はヘテロダイマーを形成してGC-richな配列、特にテロメア配列を標的として特異的に認識し、DNA切断を増強してアポトーシスを増強すると考えられる。本研究では、ディスタマイシンAのようなDNA結合物質、特にマイナーグルーブ結合物質をアンプリファイヤーとして、テロメアなどのミニサテライトを標的とした新たながん化学療法に臨床応用するための基盤となる知見が得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(20 results)