肝がんで過剰発現しているガンキリンとHSCOとを標的とする肝がん治療法の開発
Project/Area Number |
14030041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 肝がん / がん遺伝子 / ガンキリン / HSCO / MAGE / Rb / プロテアソーム |
Research Abstract |
1.ガンキリン発現をRNAi及びアンチセンスオリゴヌクレオチドにより抑制したところ、がん細胞株の増殖には影響がなかった。しかし、造腫瘍性は4割程度抑制された。 2.酵母2-ハイブリッド法によりガンキリンに結合する蛋白質として得られたMAGE-A4(GKBP2)の変異体を作成して解析した。C末端側の92アミノ酸がガンキリンと結合した。このガンキリン結合領域を細胞内で発現させると、MAGE-A4全長では造腫瘍性を抑制するものの細胞増殖に対する影響が見られないのに対し、顕著な細胞増殖抑制効果が認められた。そこで、C末端側MAGE-A4にHIVのTAT蛋白質のPTDを融合させ、培養細胞に添加したところ、細胞増殖を抑制した。さらに、ヌードマウスに腫瘍を形成させ、腫瘍内に融合蛋白質を注射したところ、腫瘍の増殖が抑制された。なお、ガンキリンとMAGE-A4全長との結合は、ガンキリンとRb、S6、あるいはCdk4との結合には影響を与えなかった。 3.ヒト肝がん細胞に対し、HSCOの発現をRNAiにより抑制した。それ単独では何の影響もないがDNA損傷を与える抗癌剤の投与によるアポトーシスが増強される事が明らかになった。HSCOはNF-κB p65と結合し、その核から細胞質への排出を促進することによりNF-κBの転写活性を阻害するという新奇な作用を有していた。また、肝がん細胞ではp65が活性化の刺激によっても核内に貯蓄されず、HSCOの発現を抑制すれば貯蓄され転写因子活性を示すことが明らかになった。 4.肝細胞がん組織と正常部肝組職との遺伝子発現の差をcDNAサブトラクション法により検索し、これまでガンキリンとHSCOについて解析、報告してきた。さらに16種類の遺伝子の発現が、肝細胞がんの過半数の症例で亢進していることを見出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)