抗原提示細胞を標的とした癌抗原遺伝子ワクチン療法の最適化
Project/Area Number |
14030046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真弓 忠範 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00098485)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
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Keywords | 遺伝子治療 / 癌免疫 / T7発現システム / 非ウイルスベクター / 5',3'UTR / mRNA / capping / poly(A) tailing |
Research Abstract |
効果的な癌抗原遺伝子ワクチン療法を確立するために、樹状細胞における遺伝子発現効率の増強や発現期間の延長を目指し、安全且つ効果的な腫瘍免疫反応を誘導出来る細胞質内遺伝子発現システムの構築を試みた。T7プロモーターとT7 RNAポリメラーゼを用いた細胞質内遺伝子発現系は、遺伝子発現の駆動力となるT7 RNAポリメラーゼの細胞質内量が、その遺伝子発現量を規定する重要な要素である。今回、細胞質内に多量のT7 RNAポリメラーゼを供給するシステムとしてT7 RNAポリメラーゼをコードするmRNAを細胞質内に導入し、細胞質内においてT7 RNAポリメラーゼを産生させる新たな細胞質内遺伝子発現系の構築を試みた。レポーター遺伝子としてT7プロモーターの制御下でルシフェラーゼを発現するプラスミドを用い、酵素であるT7 RNAポリメラーゼおよびそれをコードするmRNAによる遺伝子発現効率を検討した。その結果、従来の酵素を用いた系では、100U/mLで最高活性を示し、それを境に活性の頭打ちが認められた。一方、T7 RNAポリメラーゼのmRNAを用いた場合には、mRNAにcapping・poly(A) tailingのみ施したもの、およびβglobinの5',3'UTR配列を含むmRNAにcapping・poly(A) tailingを施したもの、これら両mRNA共に濃度依存的な遺伝子発現を示した。また、mRNA1μg/mLにおいては、βglobinの5',3'UTR配列の挿入により遺伝子発現効率は50倍程度も高くなることが示された。また、従来の酵素を用いた系に比べ、mRNAを引き金として用いた方が高い活性が得られた。さらに両mRNAを用いた際の経日的な遺伝子発現パターンに関する検討を行った結果、βglobinの5',3'UTR配列を含むmRNAで高い活性が認められ、特に1日目2日目においては遺伝発現がβglobinの5',3'UTR配列を含まない群に比べ、10倍以上増強された。以上、今後本システムを応用することにより、樹状細胞での効果的な遺伝子発現が可能となり、癌抗原遺伝子ワクチン療法において有用なシステムになると期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
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