Budget Amount *help |
¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
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Research Abstract |
本研究により,以下のことを実施し,明らかにした。 1)11個のポリアルギニンをコードするcDNAをp53cDNAに付加し,発現ベクターに組み込んだ。 2)1)で作製したプラスミドを,大腸菌にトランスフォームし,11R-p53蛋白の発現に成功した。 3)大腸菌で発現させた11R-p53をニッケルカラム等で精製し,同精製蛋白を口腔癌患者由来でp53遺伝子の変異が認められるNOS-1細胞に導入した。11R-p53は,効率よく同細胞に導入されることが確認された。 4)NOS-1細胞に導入された11R-p53蛋白の局在について,蛍光免疫染色法にて検討したところ,核内に導入されることが確認された。 5)11R-p53の口腔癌細胞増殖抑制効果について検討するため,口腔癌患者から樹立した4種類の癌細胞に11R-p53を導入し,その増殖抑制効果についてWSTアッセイにて検討した。11R-p53は,有意にすべての癌細胞において,その増殖を抑制した。また,その増殖抑制効果は,既存のアデノウイルスを利用した遺伝子導入法と同程度であった。 6)また,11R-p53には,シスプラチンによる癌細胞アポトーシス誘導作用を有意に促進した。 以上の結果より,ポリアルギニンを利用したp53直接蛋白導入法が,新しい癌治療法として有用であることが確認された。
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