Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
籏持 淳 千葉大学, 医学研究院・皮膚科, 助教授 (90172923)
田久保 海誉 財団法人東京老人総合研究所, 病理学研究部門, 部長 (00154956)
後藤 眞 東京都立大塚病院, リウマチ膠原病科, 医長
竹内 二士夫 東京大学, 医学部付属病院, 講師 (70154979)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Research Abstract |
成人型早老症として知られるWerner症候群は,骨軟部腫瘍,甲状腺癌,メラノーマなどの比較的まれな腫瘍が多発することも判明し,老化とがんの関係を解明する上で興味あるモデルである.本症はこれまで世界中で約1.100例の報告があるが,そのうち約900例が日本人であり,韓国・中国では皆無である.本調査では,韓国・中国でWerner症候群の第1例を発見すること,および国民一般集団でのWerner症候群原因遺伝子(WRN)の変異頻度を調査することを目的とした.韓国では症例を発見できなかったが,在日韓国人3世に同胞例2例を確認し,1例について症例報告した.両親の出身は釜山近郊で,変異は日本人のfounder mutation(mut4,日本人患者の2/3を占める)ではなかった.変異頻度:mut4の日本人一般集団での頻度は,6/1000であるが,ソウル,光州,釜山では,各々0/1000,0/1000,1/1000であった.これより日本でのmut4は韓国人と日本人とが分離して以降の発生であることが推測される.個別研究:Werner症候群の皮膚では,テロメア長の短縮が加速していた.皮膚コラーゲンの質的変化という観点では,Werner症候群は通常の加齢,強皮症と異なっていた.WRNのヘテロ変異が話題となっているが,一般日本人における甲状腺癌,骨軟部腫瘍,メラノーマ患者でのmut4の頻度は各々,2/162,1/119,0/130であり,一般集団全体での頻度と有意差はなかった.
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