肝炎ウイルス感染から肝硬変・肝細胞癌への進展における修飾要因に関する分子疫学研究
Project/Area Number |
14031216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
田中 恵太郎 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50217022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市場 正良 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (60184628)
桧垣 靖樹 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (10228702)
原 めぐみ 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (90336115)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | 肝細胞癌 / 肝硬変 / 慢性肝炎 / 遺伝子多型 / チトクロームP450 / N-アセチルトランスフェラーゼ / インターロイキン-1 / 症例対照研究 |
Research Abstract |
肝炎ウイルス感染から肝硬変・肝細胞癌への発症を修飾する要因として、薬物代謝酵素であるチトクロームP450(CYP)2E1・1A2およびN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)2、炎症に関与するインターロイキン1B(IL-1B)の遺伝子多型の影響を検討した。肝癌群・肝硬変群・慢性肝炎群および対照群の四群を比較する症例対照研究の手法を用いた。候補遺伝子多型と肝炎ウイルスマーカーについては対象者より同意を得て採取した静脈血(約7cc)を用いて決定し、飲酒・喫煙などの生活習慣については自記式調査票と専任の調査員(看護婦)による面接により情報を得た。肝癌患者(2001年以降の新患)・肝硬変患者・慢性肝炎患者は、佐賀医大病院と佐賀県立病院好生館の受診者より年齢が40〜79歳の者を選定し、対照者は佐賀医大病院総合外来受診者(疾病は多彩であり、明らかな疾病のない者も含む)より対応する年齢の者を選定した。2003年1月までに肝癌群106名、肝硬変群40名、慢性肝炎群128名、対照群257名の調査を行ったが、結果の解析が可能となった肝癌群76名と対照群214名について予備的検討を行った。CYP2E1(5'flanking領域のRsa I多型)のc1/c1型(homozygous wild)の性・年齢補正オッズ比は1.0と関連は見られなかったが、多飲歴のある者では3.4と上昇していた(交互作用P=0.03)。同様に、CYP1A2(5'flanking領域のDde I多型)のw/w型(homozygous wild)のオッズ比は全体の解析では1.3と有意な上昇を認めなかったが、多飲歴がある者(4.3,交互作用P=0.03)あるいは喫煙者(2.7,交互作用P=0.04)において上昇していた。NAT2の遺伝子多型については明らかな関連を認めなかった。IL-1B(C-31T多型)については、喫煙者においてT alleleを有する者のオッズ比が2.2と上昇する傾向にあったが、統計学的に有意でなかった。生活習慣と各遺伝子多型の交互作用を検討するために、今後さらに例数を増やして検討する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)