細胞増殖因子刺激による増殖促進・抑制のスイッチング機構に関する研究
Project/Area Number |
14033210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮澤 恵二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40209896)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | チロシンキナーゼ / 細胞増殖因子 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
細胞増殖因子は標的細胞により、増殖促進・抑制の相反するシグナルを伝達する。この促進・抑制のスイッチングを制御する機構の解明を目的として、本研究ではヒト肝癌細胞HepG2の肝細胞増殖因子(HGF)による増殖抑制の実験系を用いて検討を進めた。既に低濃度のMEKインヒビター存在下で細胞応答性のスイッチングがおこることを報告している。 1.増殖抑制シグナルを伝達する受容体の検討 HepG2細胞にはHGFの高親和性受容体であるc-Metが発現しているが、増殖抑制のシグナルが本当にc-Metを介して伝達されているかは明らかではなかった。そこでHGF受容体c-Metの細胞内ドメインをNGF受容体の細胞外ドメインとつないだTrk-Metを作成し、これを用いて安定発現細胞株を樹立した。MOCKの細胞はHGFのみによって増殖抑制されたが、Trk-Met発現細胞ではNGFによっても増殖抑制が見られるようになった。従って、c-MetがHepG2細胞で増殖抑制シグナルを伝達する本体であることが証明された。 2.HGF刺激により発現レベルが変動する遺伝子の解析 HGFによる増殖抑制作用は刺激後、2〜3日後以降に現れる。この理由として、細胞の遺伝子発現の変化により抑制シグナルを伝達するような性質が獲得された可能性が考えられる。そこで、無処理、および低濃度のMEKインヒビター処理したHepG2細胞をHGF刺激してRNAを調製し、DNAマイクロアレイにより遺伝子発現の変化を比較検討した。全部で約12000の遺伝子を解析し、その中からHGFによる増殖抑制に関与している可能性のある遺伝子(up-regulation34個、down-regulation18個)をピックアップした。real-time PCRによりマイクロアレイの結果をconfirmできたので、現在、どの遺伝子が関与しているかの検討を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)