Budget Amount *help |
¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Research Abstract |
初期胚の極性は,しばしば母性RNAの局在化によって生み出される。これら母性RNAは,翻訳が抑制された状態で局在化し,局在化した領域でのみ翻訳される。このような輸送・局在化そして翻訳制御機構は,正常な胚発生に必須であるが,その分子機構については良くわかっていない。 ショウジョウバエ卵形成過程におけるoskar RNAの卵母細胞後極への局在化,局在化過程における翻訳の抑制は,胚の腹部及び生殖細胞の形成に必須である。しかし,oskar mRNAの翻訳抑制機構については良くわかっていない。本研究では,oskar mRNAを含む母性RNP複合体を構成する新規タンパク質として,翻訳開始因子eIF4Eと分子機能未知のタンパク質であるCupを同定した。また,eIF4EとCupとが直接結合すること,cup突然変異体において,oskar mRNAの翻訳抑制が異常となっていることを明らかにした。さらに,Cupが,oskar RNAの3'UTRに結合する翻訳抑制因子として知られていたBrunoとRNA非依存的に会合することを明らかにした。以上の結果は,(1)Cupタンパク質が,oskar mRNAの新規翻訳抑制因子であること,(2)Cupタンパク質を介した翻訳抑制は,翻訳開始因子であるeIF4Eの機能を制御することにより行われていること,(3)CupはBrunoの'translational' co-repressorとして機能すること,(4)局在化過程においてoskar mRNAの翻訳は,mRNAの5'側と3'側の相互作用を介して抑制されていることを予想させた。
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