脊索動物の起源と進化:内柱および鰓裂特異的遺伝子群を用いた解析
Project/Area Number |
14034210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小笠原 道生 千葉大学, 理学部, 助手 (00343088)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 内柱 / 鯉裂 / 脊索動物 / 分子系統発生 / 遺伝子発現 / 鰓裂 / 分子系発生 |
Research Abstract |
脊索動物の咽頭部には脊索動物を特徴づける内柱・鰓裂という器官が存在し、これらの器官の形成システムおよび機能の分子メカニズムの解明は、脊索動物の共通祖先が獲得した咽頭器官の発生システムの進化を理解する上で重要である。 内柱に関する研究としては、内柱が甲状腺の起源であるとの観点から甲状腺関連転写因子TTF-2(FoxE)に着目し、cDNAクローンの単離と遺伝子発現解析を尾索類カタユウレイボヤで行った。その結果、Ci-FoxEは内柱の甲状腺相同領域で顕著に発現し、これは甲状腺関連転写因子として初めて内柱の甲状腺相同領域で顕著に発現する事例であった。また、頭索類ナメクジウオのFoxEの発現を解析した結果、内柱の甲状腺相同領域で顕著に発現することがわかり、FoxEの発現パターンは尾索類・頭索類間で保存されていることがわかった。そこで下等脊索動物間で形態の異なる内柱の領域的相同性を明らかにするため、甲状腺関連遺伝子群TTF-1(Nkx-2.1),TTF-2(FoxE),Pax2/5/8,TPOおよび内柱で顕著に発現する転写因子群Ekh(FoxA),EoxQ1の発現比較解析をカタユウレイボヤ・ナメクジウオ間で行ったところ、これらの遺伝子群の発現パターンは基本的に保存されており、内柱の領域的相同性を考察する上で重要な知見となることがわかった。 一方、鰓裂に関する研究としては、カタユウレイボヤ幼若体を用いた多検体(約500)遺伝子発現解析を行い、鰓裂(鰓孔)周縁細胞で顕著に発現する遺伝子を22クローン見いだした。これらの遺伝子の発現を解析した結果、すべての鰓孔周縁細胞で発現する遺伝子、タイプIIの細胞で顕著に発現する遺伝子、タイプIIIの細胞群のみで発現する遺伝子が存在し、これらの遺伝子は鰓孔周縁細胞の各タイプを区別できるマーカーであることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)