新規のWntシグナル伝達分子による形態形成の制御機構の解析
Project/Area Number |
14034239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岸田 昭世 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (50274064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 章 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10204827)
福井 彰雅 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80262103)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | Wnt-3a / Dvl / Rhoキナーゼ / PCP / 神経突起退縮 / 形態形成 / Axam / Wnt / Duplin / SUMO / 体軸形成 |
Research Abstract |
Wntシグナルは初期発生時の体軸形成や細胞の増殖や分化などを制御する。Wntシグナルは細胞内でβ-カテニン経路とPCP(平面内細胞極性)経路、Ca^<2+>経路の3つに分岐する。DvlはWntシグナルをβ-カテニン経路とPCP経路に分岐点に当たる分子で、GSK-3βによるβ-カテニンのリン酸化と分解を抑制する一方、ショウジョウバエでの解析から、PCP経路によってJunキナーゼやRhoキナーゼを介して形態形成を制御することが見出されつつあるが、神経系細胞におけるPCP経路の作用は明らかでなかった。 そこで今年度は、哺乳動物細胞におけるWntやDvl、Rhoキナーゼの作用を検討した。COS細胞において、Junキナーゼ活性化に必須のDEP領域を含まないDvl変異体がRhoキナーゼを活性化する事から、DvlはJunキナーゼとRhoキナーゼを異なった領域を介して活性化する可能性が示された.Wnt-1やWnt-3a、DvlによるRhoキナーゼの活性化はRhoキナーゼのRho結合ドメインを共発現することにより抑制されたことから、この活性化にはRhoが関与することが明らかとなった。Wnt-1やDvlを発現すると褐色細胞腫由来のPC12細胞でのNGF依存性の神経突起伸張や神経芽細胞腫由来N1E-115細胞での血清除去刺激による神経突起伸張が抑制されだが、この現象はRhoキナーゼ阻害剤により解除された。さらに、RhotekinのRho結合領域を用いたpull-down assayにより、Dvlを発現させたPC12細胞ではRhoが活性化することを見出した。高度に精製したWnt-3aでPC12細胞を処理することによりRhoキナーゼの活性化が認められた。したがって、Wnt-3aやDvlのシグナルは哺乳動物の神経系細胞において、Rhoキナーゼを介して神経突起の伸張や退縮に関わる可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)