細胞特異的in vivo遺伝子導入システムによる神経堤細胞の発生・分化機構の解析
Project/Area Number |
14034245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
福原 茂朋 熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (70332880)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 神経堤細胞 / エンドセリン / レトロウイルス / TVA / 遺伝子導入 / 鰓弓 |
Research Abstract |
神経堤細胞は、各種末梢神経細胞、グリア細胞、内分泌細胞、色素細胞など様々な細胞への分化能を有する幹細胞である。本研究では神経堤細胞の各細胞系への発生・分化メカニズムの解明を最終目的とし、(1)神経堤細胞特異的in vivo遺伝子導入システムの開発と、(2)頭部神経堤細胞による鰓弓形成メカニズムの解析を行なった。 (1)を開発するために、トリレトロウイルス受容体TVAの系を用いた。哺乳動物細胞はTVAを持たないが、この遺伝子を外来的に発現させることによりRcasウイルスによる感染を受けるようになる。そこで、神経堤細胞にTVAを特異的に発現させることにより、これらの細胞への特異的な遺伝子導入を試みた。エンドセリンA受容体(ETAR)は、頭部神経堤細胞に発現し、鰓弓上皮から産生されるエンドセリン-1(ET-1)シグナルを伝達することにより鰓弓形成に深く関与している。そこで、TVAを神経堤細胞に発現させる為、ETARプロモーターによってTVAの発現が制御されるトランスジェニックマウス(Tgマウス)を作製した。このマウス由来の神経堤細胞および胚をRcasGFPウイルスで感染させたところ神経堤細胞に効率的に遺伝子が導入され、その有効性が示された。さらに、cre-recombinase (cre)依存的にTVAを発現するマウスを開発するため、CAG-loxp-CAT-pA-loxp-TVA-ires-βgeo-pA (CAG ; chicken β-actin promoter, CAT ; chloramphenicolacetyltransferase pA ; polyadenylation signal, β geo ; LacZ-neomycin fusion protein) DNA断片を持つTgマウスを作製した。このマウスを血管内皮細胞特異的にcreが発現するTie2-creマウスと交配したところ、血管内皮細胞におけるTVAの発現およびそれを介したRcasウイルスの感染が認められた。今後、神経堤細胞にcreを発現するTgマウス(PO-creマウスなど)との交配を行い、神経堤細胞特異的な遺伝子導入を可能にする。 (2)ではエンドセリンシグナルを中心に頭部神経堤細胞による鰓弓形成メカニズムの解析を行った。その結果、鰓弓の形成には胎生8.75-9.5のET-1/ETARシグナルが必要であり、この間のシグナルが鰓弓間葉におけるDlx6、dHAND(同様に鰓弓の発生に必須であることが知られている核転写因子)の発現に必須であることが示された。また、このET-1/ETARシグナルは下顎の形成に重要であり、その異常は下顎の上額への形質転換を来たすことが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)