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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
本研究は,哺乳動物細胞に極めて近い細胞内情報伝達系を持つ分裂酵母モデル系を用いて,カルシウムによる蛋白質の一生の制御機構を分子遺伝学的に解明しようとするものである。カルシウムにより蛋白分解や細胞内輸送が制御される現象は良く知られているが,その分子機構は殆ど不明である。我々は,分裂酵母を材料として,カルシウムシグナリングとストレス応答の分子遺伝学的研究を進め,本年度は以下の結果を得た。 (1)カルシウムによるユビキチン系制御に関連する遺伝子を単離,解析するため,変異により様々なストレスに対して超感受性を示す変異体を解析した結果,lub1^+という新規遺伝子を単離した。この遺伝子を破壊すると細胞内ユビキチン量が非常に低下し,細胞外のカルシウムに対して超感受性を示した。Lub1ノックアウトはカルシウム以外にも紫外線,高温などに対して感受性を示した。Lub1はCdc48と結合することが示され,Cdc48はLub1の機能に対して抑制的に働いていることが示唆された。(2)カルシウム/カルモデュリン依存性タンパク質脱燐酸化酵素カルシニューリン遺伝子破壊株において,小胞体ストレスに対する応答の異常が示唆される結果を得ている。本現象を解明する目的で,遺伝学的解析をすすめた結果,細胞質分裂を制御する蛋白質燐酸化酵素Cdc7,細胞内輸送に関わる低分子量G蛋白質Ypt3,ミオシン重鎖Myp2/Myo3がカルシニューリンと遺伝学的関係を示すことが明らかになった。
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