走査型トンネル顕微鏡による123系銅酸化物の超伝導と電子状態の研究
Project/Area Number |
14038206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 典男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (40111306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西嵜 照和 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90261510)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 走査トンネル顕微鏡 / 超伝導材料 / 渦糸状態 / 表面電子状態 / 不純物効果 / 低温物性実験 |
Research Abstract |
本研究は、低温強磁場中で動作する走査型トンネル顕微鏡を用いて酸化物高温超伝導体YBa_2Cu_3O_y(YBCO)単結晶の局所電子状態を観察し、超伝導状態及び常伝導状態における電子系の特徴を微視的な立場から明らかにすることである。 我々は、本研究において2つの立場から研究を行った。一方は、不純物を添加したYBCOの電子構造を原子スケールで明らかにすることである。これに関しては、Znを添加した試料において、BaO面上でBaOの原子像と1次元の電荷密度の変調を観測した。これは、BaO面の直下にあるCuO_2面の電子状態を反映した現象で、Znを含まない試料では今まで観測されたことのない現象である。すなわち、Zn添加によって誘起された電荷の不均一性であり、超伝導性との関連が興味深い。このような電子状態の不均一性はBi_2Sr_2CaCu_2O_8においてよく知られているが、YBCOでは初めての観測である。 もう一方は磁場中における準粒子の電子状態を観測し渦糸像を求めることである。化学研磨された試料表面で、数100nmの領域にわたってトンネル分光像を観察することに成功し、その2次元マップから渦糸像を明確に示すことが出来た。また、この渦糸象の温度・磁場依存性を明らかにした。さらに、渦糸像からフーリエ変換によって逆格子像を求めた。その結果、1Tでは渦糸像は歪んだ6回対称性を持つ3角格子を形成し、この構造は80Kまで観測されることを明らかにした。一方、3Tでは、4.5Kから40Kまでこの対称性が消え、不規則な渦糸配置をとること、60Kで再び6回対称性が現れることを明らかにした。これらの結果は、巨視的測定から得られた渦糸相図と一致している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)