強磁性ハーフメタル状態を発現する層状コバルト酸化物の合成とその特性評価
Project/Area Number |
14038219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山内 尚雄 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (50271581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本橋 輝樹 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (00323840)
KARPPINEN Maarit 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (50334529)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 層状コバルト酸化物 / Na_xCoO_2 / 強磁性ハーフメタル / 強電子相関効果 / 化学組成制御 / 異常磁気相転移 / ウィスカー / ミスフィット酸化物 |
Research Abstract |
本研究では、層状コバルト酸化物Na_xCoO_2において、強磁性ハーフメタル状態など強電子相関効果がもたらす特異な電子状態の発現を目指し、化学組成・局所構造を精密制御した試料の作製、及びその電磁気特性評価を行った。以下に主な成果を示す。 1.Na_xCoO_2の試料作製法を最適化することで、Na量xを精密制御する手法:"rapid heat-up"法を確立した。本手法を用いてNa-rich試料(x=0.75)を作製したところ、Tm=22Kにおいて新しい異常磁気相転移を発見した。この磁気相転移は2次転移であることが比熱測定により確認され、極めて小さな自発磁化、抵抗率と熱起電力の温度曲線における折れ曲がり、巨大な正の磁気抵抗を伴う特異なものであることが明らかになった。 2.Na_xCoO_2のウィスカー単結晶の育成に初めて成功した。本物質は通常のフラックス法を用いると平板状の結晶が得られるが、本研究では仕込原料にカリウム源を加え高温熱処理を施すことで1次元的形状を持つウィスカーを作製する手法を確立した。結晶の長さは最大で1.6mm程度であり、ICP及びSEM-EDSよりNa量はx〜0.5であることが明らかになった。ウィスカー結晶の電気抵抗率及び熱起電力測定により、本物質のウィスカー結晶が優れた熱電変換特性を有することが確認された。 3.Na_xCoO_2の関連物質である様々な層状ミスフィット酸化物[Ca-Co-O, (Bi, Pb)-Sr-Co-Oなど]について、酸素不定比性やCoイオンの原子価状態と熱電変換特性の関係を調べた。熱天秤を用いた熱分析によって、本物質の酸素不定比牲の大きさは化学組成により幅広く変化することが判明した。また、酸化還元滴定法の結果より、本物質中のCoイオンは3.0〜3.3+という高い原子価状態を持つことが実験的に明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Motohashi, R.Ueda, E.Naujalis, T.Tojo, I.Terasaki, T.Atake, M.Karppinen, H.Yamauchi: "Unconventional Magnetic and Transport Phenomena in Na_xCoO_2 with a Precisely Controlled Na Content"NEWS LETTER (Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Area, Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology of Japan). 3[2]. 103 (2002)
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