超伝導発現におけるスピン揺らぎの量子位相効果及び秩序間の競合に関する理論研究
Project/Area Number |
14038240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
胡 暁 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算材料科学研究センター, ディレクター (90238428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秋広 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算材料科学研究センター, 研究員 (10354143)
野々村 禎彦 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算材料科学研究センター, 主任研究員 (30280936)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | superconductivity / antiferromagnetism / spin-Peierls system / stripe / quantal phase / fluctuation / vortex / critical phenomena |
Research Abstract |
1.擬一次元スピンパイエルス系等、スピンギャップ系における超伝導発現のための条件を理論的に解析した。 2.銅酸化物で観測されるストライプ相から高温超伝導が発現するプロセスの理論説明を試みた。ストライプ相における量子揺らぎの効果を量子モンテカルロ法による大規模数値計算で調べた。 3.高温超伝導現象に共通的に見られる反強磁性・超伝導競合現象を大規模モンテカルロシミュレーションで解析し、双臨界現象の新しいスケーリング理論を提唱した。 4.密度行列繰り込み群法を用いた数値計算により、電子間相互作用を近似なしに扱い、ナノカーボングラファイトの磁気、電子伝導特性のエッジ形状依存性を理論的に解明した。 5. (1)超伝導磁束量子系の熱力学状態、相転移、相図を大規模計算機シミュレーションにより解明した。特に面内に平行な磁場に誘起される層間ジョセフソン磁束系の特異コスタリッツ・サウレス相を始めて見出した。 (2)超伝導体内部を貫く磁束量子線は、低温では三角格子に配列し、高温では熱揺らぎの効果で磁束線液体に代わる。この変化は、氷が水に溶けるのと同じように、潜熱の放出を伴う熱力学的な不連続相転移として知られている。今回我々が大規模シミュレーションで新たに発見したのは、層状構造を持つ高温超伝導体の超伝導層に平行に印加された磁場がある特異値を超えれば、磁束線格子の融解は2回の連続相転移になることである。特異磁場の強さは理論的に異方性定数に逆比例し、超伝導層の層間距離の2乗にも逆比例する。YBCO系超伝導体では50テスラ程度で、BSCCO系超伝導体では1.7テスラ程度である。 この成果の意義としては、磁束線格子融解によって超伝導が失われるので、応用においてその理解と制御が大事である。学術的には、磁束線格子の連続融解転移の発見は始めてであり、一般的な融解現象に対する理解を広げるものと期待される
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)