圧電駆動型磁気光学効果を用いた超高速空間光多値変調マイクロデバイス
Project/Area Number |
14040213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
井上 光輝 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90159997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 一寛 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (60343216)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 空間光変調器(SLM) / 磁気光学空間光変調器(MOSLM) / PZT薄膜 / 圧電駆動型MOSLM / エアロゾルデポジション法 / ゾルゲル法 |
Research Abstract |
空間光変調デバイス(SLM)は、光コンピュータや光通信用スイッチなど様々な情報通信システムの要となる重要な光マイクロデバイスである。中でも磁気光学空間光変調デバイス(MOSLM)は高速駆動、堅固等の従来のSLMでは得られなかった特長を持つデバイスである。従来のMOSLMの駆動には電流を用いてきたが発熱による問題のため実現が困難となっている。この問題を解決する方法として我々は圧電効果と磁歪効果を利用し磁化方位を制御する方法を提案した。この方法は電圧駆動のため発熱を抑えることが可能となる。 この電圧駆動型MOSLMを作製する前に、構造解析シミュレーションによって効率的に応力が印加される構造を求めた。応力計算は有限要素法シミュレーション(ANSYS Ver.6.0)を用いた。これら結果より電圧駆動型MOSLMの構造を決定した。またこのときの応力によって生じる磁界は、ピクセルをスイッチングさせるのに十分であることを確認した。 電圧駆動型MOSLMの圧電薄膜には強誘電体であるPZTを使用しており、従来のゾルゲル法等の成膜方法では熱処理温度が高く磁気光学層のダメージ、電極の剥離を生じている。ここで我々は新規の技術であるエアロゾルデポジション法(AD法)を用いて従来の方法よりも低い温度でPZT膜の作製を試みた。AD法では、N_2ガスとペロブスカイト構造に結晶化しているPZT微粉を試料瓶内に混入し振動させることによりエアロゾル状態としたものを、成膜室内を排気させ試料瓶内と成膜室内との圧力差によって、加速させながら搬送し基板に吹き付け、堆積させる。この時の堆積速度はおよそ0.2〜1.0μm/minと従来の方法と比較し高速で成膜出来る。膜厚は670nmで堆積後は特性向上のため500℃5分の熱処理を行った。ゾルゲル法は膜厚375nmで熱処理450℃30minと650℃5minで作製した。この結果よりAD法は堆積速度が速く、熱処理温度が150℃低減したにも関わらずゾルゲル法と同程度以上の分極が得られでいることが確認された。このAD法によって熱処理によるデバイスの問題点を解決することが可能となった。 電圧駆動型MOSLMは、計算結果より得られた構造とAD法によるPZT膜によって作製し駆動の確認を行った。初めに-260 Oeの外部磁場によって全ピクセルの磁化方向を一定方向にした。次に電圧を上下電極間に8V印加し、+170 Oeの外部磁界によりピクセルのスイッチングの確認が可能であった。この時の駆動電流はおよそ数百μAである。これにより電流駆動型での問題点を克服した電圧駆動型MOSLMが可能となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)