Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
今年度は以下の3項目を検討した。 (i)CYP1A1変異体の解析 24種のラットCYP1A1変異体を作製し、ダイオキシン類に対する活性を測定したところ、4種の変異体F228A,F240A,F319A,F385Aにおいて、2,3,7,8-TCDDに対する活性を検出することができた。次に、6種の二重変異体、F228A/F240A、F228A/F319A、F228A/F385A、F240A/F319A、F240A/F385A、F319A/F385Aを作製し、2,3,7,8-TCDDに対する活性を調べた。F228A/F319A以外の二重変異体はいずれも酵母における発現量が著しく低下し、またへいずれの変異体においても活性は元の変異体よりも低下していた。二重変異体における発現量の低下はフェニルアラニンからアラニンへの変異による構造の不安定化によると考えられる。 (ii)酵母内で発現したヒト由来UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)によるダイオキシンの代謝 酵母内で発現させたヒト由来UGT1 A1,1A9,および2B7を用いて8-OH-2,3,7-TriCDDに対するグルクロン酸抱合活性を調べたところ、UGT1A1および1A9において活性が見られ、昆虫細胞-バキュロウイルス発現系での結果と一致した。UGT2B7については活性が認められなかったが、発現量がきわめて低いためと考えられる。本研究では宿主としてS.cerevisiaeを用いたが、メタノール資化性酵母あるいは担子菌きのこ等での発現も可能であると考えられる。 (iii)放射菌由来CYP105A1の大腸菌内発現、精製およびダイオキシン結合能 基質結合差スペクトルから、放線菌由来CYP105A1が2,3,7,8-TCDDを結合することを見出した。2,3,7,8-TCDDに対する活性は認められないものの、基質ポケットに2,3,7,8-TCDDが結合し、第6配位子の水分子が追い出されるという状況は(i)におけるラットCYP1A1と同じである。したがって、CYP1A1の場合と同様、最小限のアミノ酸置換により、ダイオキシン分解酵素が作製できる可能性がある。X線結晶構造解析により立体構造を解明し、ダイオキシン分解酵素を精密にデザインするため、CYP105A1の結晶化を試みている。
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