内分泌撹乱物質による脳および行動の性分化障害メカニズムの解明
Project/Area Number |
14042246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
粟生 修司 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (40150908)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ビスフェノールA / 扁桃体内側核 / エストロゲン受容体β / レスベラトロール / 視床下部視索前野性的二型核 / 青斑核 / オープンフィールド試験 / 性差 |
Research Abstract |
ビスフェノールA(BPA)曝露ラットでは、オープンフィールド行動における性差(運動量や探索行動量はオスよりもメスの方が多い)が消失した。性行動や性ホルモン生殖臓器重量には影響は認められなかった。DESも同様に非生殖行動の性差を消失させたが、雌の生殖機能も抑制した。一方、RVTはオープンフィールド行動への影響は少なく、生殖行動への影響の方が強く認められた。 視床下部の内側視索前野の性的二型核の性差には、BPA, DES, RVTとも今回用いた濃度では影響はなかった。なおDESは今回の2倍の濃度では雌の体積を増加させることが知られているが、BPAは5倍の濃度でも影響はなかった。 青斑核の大きさは、対照群では雌の方が大きいが、BPA曝露群およびDES曝露群では雄の方が大きく、性差が逆転した。RVT曝露群では逆転は認められなかったが、性差は消失した。青斑核内でさらに検討すると、対照群では中間領域に雌が雄より大きい性差が生じていたが、すべての曝露群で中間領域の性差は消失し、有意な逆転はなかった。その性差消失の原因にはBPA、RVT両曝露群とDES曝露群とでは違いがあり、BPA、RVT両曝露群で雄が雌に近づき、雌が雄に近づくのに対して、DES曝露群では雄が雌と同等になり、雌は変わらなかった。しかし、BPA、DES両曝露群の雄の尾側領域では体積の増大傾向、雌の吻側領域では体積の減少傾向があり、これがBPA及びDESの全体的な性差を逆転させたと考えられる。 生後21日目ERβの発現を前脳部で調べると、視床下部の室傍核や視索上核や大脳辺縁系の扁桃体内側核などに発現した(図1)。視床下部ではBPA曝露の影響は認められなかったが、扁桃体内側核のERβはBPA曝露で雌雄ともに著明に増加し、性差が消失した。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)