核内受容体のアポ/ホロ構造の差構造解析による化学物質の受容体結合リスク評価法
Project/Area Number |
14042250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野瀬 健 九州大学, 理学研究院, 助教授 (10301334)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 内分泌撹乱化学物質 / 環境ホルモン / レセプター / エストロゲン受容体 / 分子モデリング |
Research Abstract |
内分泌撹乱化学物質・環境ホルモンの生態系への影響は、様々な化学物質がホルモン受容体と結合し、疑似(ニセ)の作用を引き起こすことに起因する。この受容体結合メカニズムを解明することは、化学物質の受容体結合性を判別する基礎的なデータとなる点で重要であるが、現時点ではリガンドが結合していないレセプター(アポ体)の立体構造はRXRレセプターのみが知られているに過ぎず、直接的な結合試験なしでは様々な化学物質の受容体結合特性を評価するのが困難な状況である。そこで本研究では、分子モデリングの手法を用いてエストロゲン受容体のアポ体タンパク質のリガンド結合部位(LBD)の立体構造を解析・構築することでリガンド結合部位の構造を決定し、種々の化学物質の結合性の予測を行なうとともに、環境ホルモンリスク評価法を確立することを目的に、以下を研究を実施した。 まず、分子モデリングで作製したエストロゲン受容体LBDを鋳型としてドッキング計算プログラムを用いた結合性の予測を行った。その結果、高い精度で計算が可能なAffinityプログラムを用いると、複合体エネルギーの値から危険性物質のグルーピングが可能なことが判明した。しかし、ハイスループットを目指した高速ドッキング法では、計算方法の改良が必要であることが明らかとなった。 一方、環境ホルモンリスク評価法として近年注目を集めている、核内受容体LBDのリガンド結合に伴う構造変化を認識する抗体を用いたセンシング法の作動機序を分子モデリングを用いて解析しところ、コンホメーション変化の効果的なセンシングには、1)リジッドなヘリックス構造を保持したまま、リガンド結合時に受容体と結合することで分子表面を隠すH12にN端側ループ領域を加えた部位、2)H12に附帯するループ領域、あるいはC末端のループ領域のみ、を抗原として用いることが必要なことを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)