魚類生殖腺の性分化過程においてエストロゲンは何をしているのか?
Project/Area Number |
14042267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
小林 亨 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30221972)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 性分化 / 性転換 / 生殖腺 / エストロゲン / 魚類 / ティラピア / CYP19a / 転写制御 |
Research Abstract |
本研究課題では、卵巣分化過程におけるエストロゲンの機能の実態を明らかにするために、ティラピアを用いてエストロゲンによる遺伝的雄の性転換誘起系用いて卵巣分化におけるエストロゲン/エストロゲン様内分泌撹乱物質の作用機構の共通・相違性を明らかにすることを目的とする。昨年度、エストロゲンによるXY性転換卵巣分化誘起過程を用いたサブトラクション法により、卵巣分化の誘起に伴って、発現の増加、減少する遺伝子産物を各々、7、3個得た。発現が増加するもので、5'上流域にエストロゲン応答配列(ERE)を持つ遺伝子産物の中で、CYP19aがあった。レポーターとしてルシフェラーゼを用いた転写活性能を解析したところ、エストロゲンに依存して転写が増加することが明らかとなった。本年度は、この転写活性能の解析系を用いて合成エストロゲン、エストロゲン様内分泌撹乱物質のCYP19aの発現制御への影響を検討した。その結果、E2は10^<-7>-10^<-6>Mで、DES, EE2は各々、10^<-9>-10^<-6>、10^<-7>-10^<-6>Mで転写活性化能を示した。ビスフェノールA、ベンゾフェノンは各々、10^<-6>-10^<-5>、10^<-5>Mで転写活性化能を示した。DES、EE2は共に、孵化後4〜6日の間、各々、0.01,0.1μg/mlの濃度でXY稚魚を浸漬すると完全に雌への性転換を誘起する。この時、CYP19aはmRNAレベルだけではなく、蛋白レベルでの発現誘起が起こることが明らかとなった。 遺伝的雌の卵巣分化過程におけるCYP19aの発現、及び、アロマターゼ阻害剤による機能的雄への性転換誘起と考え合わせると、卵巣分化過程に必須なCYP19aの発現はそれ自身によるエストロゲンの生合成により、さらにautoregulationされていることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)