Project/Area Number |
14044023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小宮 三四郎 東京農工大学, 工学部, 教授 (00111667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小峰 伸之 東京農工大学, 工学部, 助手 (90302918)
平野 雅文 東京農工大学, 工学部, 助教授 (70251585)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 低原子価ルテニウム錯体 / C-H結合切断反応 / 不飽和カルボン酸 / sp^2 C-H結合 / sp^3 C-H結合 / ルテニウム / フェノール / ルテナサイクル錯体 / 炭素-ヘテロ結合切断 |
Research Abstract |
低原子価ルテニウム錯体と不飽和カルボン酸との反応によるルテナサイクル錯体の合成を検討した。トリメチルホスフィンの存在下、低原子価ルテニウム錯体であるRu(COD)(COT)と不飽和カルボン酸との反応により、ルテナサイクル錯体が生成した。この反応では、まずビスカルボキシラト錯体が生成し、その後ゆっくりとルテナサイクル錯体が生成した。この際、切断された水素は、カルボキシラト配位子により受容されたと考えられる。α-アルキルアクリル酸類との反応では、カルボキシラト基に対してβ位のsp^2性C-H結合が切断され、対応するルテナサイクル錯体が生成したのに対して、メタクリル酸やチグリン酸との反応では、α-メチル基のsp^3性C-H結合が切断された後に、引く続く1,3-水素移動により生成したと考えられるルテナサイクル錯体が得られた。この結果は、本反応ではsp^2 C-Hよりもsp^3 C-Hの方が優先的に切断されることを示している。 以上、本研究では、フェノール、チオールおよびカルボン酸などの配位性官能基を有する基質と低原子価ルテニウム錯体との反応により、ルテナサイクル錯体を合成するとともに、ルテニウム-炭素結合間に一酸化炭素やイソニトリルなどの不飽和分子が挿入しうることに明らかにした。
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