sp^2混成リン原子を含む特異な五員環キレート錯体の創製と触媒機能
Project/Area Number |
14044091
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Kyoto University (2003) Osaka City University (2002) |
Principal Investigator |
小澤 文幸 京都大学, 化学研究所, 教授 (40134837)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 達哉 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70251931)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | ジホスフィニデンシクロブテン / (π-アリル)パラジウム錯体 / ヒドリドパラジウム錯体 / C-O結合切断 / アリル化触媒反応 / 脱アリル化触媒反応 / ルテニウム錯体 / ヒドロシリル化触媒反応 / sp^2リン配位子 / π-アリル錯体 / メチル錯体 / ヒドリド錯体 / ジカチオン錯体 / パラジウム錯体 / 白金錯体 / 触媒反応 |
Research Abstract |
(1)sp^2混成リン化合物であるジホスフィニデンシクロブテン(DPCB)を配位子とする(π-アリル)パラジウム錯体を触媒とし、アリルアルコールをアリル化剤とするアリル化反応の機構について、想定される反応中間体のモデル錯体を用いて検討した。その結果、この触媒反応が、従来から提案されているアリル化触媒反応とは明らかに異なり、ヒドリド錯体中間体によるアリルアルコールのC-O結合切断を伴って進行していることを強く示唆するデータが得られた。また、触媒反応についても速度論的手法を用いて詳しく検討し、化学量論反応を用いた検討結果から示唆されたC-O結合切断機構が、実際の触媒反応系においても機能していることを示す確かな証拠を得ることができた。 (2)(1)の知見を用いて、官能基許容性と反応性に優れたアリルエーテル類の触媒的脱アリル化反応を開発した。特に、o-およびm-(アリルオキシ)安息香酸アリルから、アリルエーテル部分のみを選択的に脱アリル化できることを見出した。 (3)DPCB配位子を持つ一連のメチル白金およびパラジウム錯体を合成し、それらの構造について各種分光学的手法と単結晶X線構造解析を用いて検討した。その結果、DPCBはジホスフィン配位子とジイミン配位子のほぼ中間のσ電子供与性を持つと同時に、これらの配位子と比べてはるかに強いπ電子受容性を持つことが明らかとなった。 (4)DPCB配位子を持つルテニウム二核錯体[Ru(μ-Cl)Cl(CO)(DPCB)]_2の合成単離に成功し、その単結晶X線構造解析に成功した。合成した錯体は末端アルキンのシス選択的ヒドロシリル化反応に対して高い触媒活性と立体選択性を示した。 (5)DPCB配位メチル白金錯体を触媒とするケトンの脱水素シリル反応機構について検討し、ヒドリド白金錯体を中間体とする反応機構を提案した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)