Project/Area Number |
14045204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大塩 寛紀 筑波大学, 化学系, 教授 (60176865)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 水素結合 / 単分子磁石 / 金属錯体 |
Research Abstract |
近年,ナノサイズにおいて発現する「量子効果」など新しい原理に基づく現象に関する研究が基礎と応用的観点から活発に行われている。ナノ磁石(単分子磁石)は比較的低い磁場で磁気飽和を示し,相転移を伴わずに粒子内のスピンがすべて揃う超常磁性を示す分子である.このような微小磁性体である単分子磁石は,バルク強磁性体では起こりえないメゾスコピック系特有の量子スピントンネル現象など新しい物性を示し,クラスター分子自身が磁石として働くため磁気メモリー等の分子素子としてその将来が期待される物質群である。単分子磁性体の構築にはクラスター分子が高いスピン多重度を基底状態に持ち,クラスター分子全体で磁気異方性をもつ必要がある。また、将来単分子磁石を磁気メモリーとしてもちいるには、クラスター分子を基板上に規則正しく配列する方法論の確立が必要となる。本申請研究では、水酸基を導入したシッフ塩基を架橋配位子にもちいることにより、クラスター分子を水素結合ネットワークで配列させることを検討した。 本申請研究では、新たに合成した水酸基をもつ三座シッフ塩基配位子と鉄(II)イオンとの反応により、新規クラスター分子を合成した。磁化率の測定により、このクラスター分子はシッフ塩基配位子のアルコキソ基が鉄(II)イオンをその磁気的軌道を直交するよう架橋(金属イオン間に強磁性的相互作用を誘起)することにより、高スピン状態を基底状態にもつことを明らかにした。さらに、結晶構造の詳細な検討により、結晶中でクラスター分子が水酸基による分子間水素結合により二次元シート状に配列した系であることが明らかとなった。現在、この水素結合によるクラスター分子の配列制御について、他の単分子磁石への適用を検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)