Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
分子不活化ソフトマテリアルとして高機能性分子を作成し,レーザー光を照射することで細胞内分子をリアルタイムに不活化する手法を開発してきた.高機能性分子には疎水性相互作用を用いることで,細胞内セカンドメッセンジャーであるイノシトール3リン酸(IP_3)受容体に対し親和性の高いリガンドを作成し使用する.この手法開発により,生きた状態での細胞内高分子の作用の時間・場所を精密に制御した機能阻害が初めて可能となる.既にCALIのプローブとして細胞膜透過性の合成小分子を用いることで,高い不活性化効率を達成した.まず,レーザー光を当てる場所を調節して,神経細胞内の部位特異的にIP_3受容体活性を阻害できるかどうかを調べた.この結果,成長円錐においてのみIP_3受容体活性が効率よく阻害されることが示された.次に,IP_3受容体の関与が示唆されている容量性Ca^<2+>流入(capacitative calcium entry, CCE)について検討した.この現象は,刺激により小胞体のCa^<2+>が枯渇すると,細胞膜上のチャネル(store-operated channel, SOC)を介して,細胞外のCa^<2+>が流入する現象であるが,SOCとIP_3受容体の関係については議論が混沌としている.そこで,細胞膜透過性のためMGIP_3の親水性のリン酸基をPM(propionyloxymethyl)esterで保護した化合物(MGIP_3/PM)を用いて,IP_3受容体がSOCに関与するか検証した.DT40細胞をMGIP_3/PM-CALIで処理した後に,thapsigarginを用いて小胞体を枯渇させ,その後細胞外にCa^<2+>を加えCCEを誘導した.その結果CALIによってSOC活性には影響は見られなかった.以上の結果から,この条件において,IP_3受容体の不活性化はSOCの活性に影響を及ぼさないことが示された.
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