構造色発現現象により水素結合形成を検知するソフトマテリアルの創製
Project/Area Number |
14045227
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
竹岡 敬和 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20303084)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | ソフトマテリアル / ゲル / 構造色 / 水素結合 / センサー |
Research Abstract |
これまでの研究において、環境に応じて大きさや形が変化するソフトマテリアル(ゲル)に構造色発現機能を付与することを試みてきた。高分子鎖が化学的に架橋された三次元網目構造の隙問に溶媒を蓄えた状態にあるゲルを用いると、環境に応じたゲルの大きさの変化(長さ、体積、重さ)を観測することで、ゲルを構成する一本一本の高分子の溶液中での振る舞い(広がり方)を解析できる。従来、非常に困難であった溶液中における高分子鎖の振る舞いを観測することが、ゲルとして扱うことで非常に容易になったのである。つまり、ゲルはフラスコ内で生じている分子レベルの挙動を肉眼で観測できるようにする材料であると考えている。この考えをさらに発展させるために、光の波長レベルの微細周期構造を刻み込むことで、体積の変化を構造色の変化としで捕らえられることを見出した。長さ、体積、重さを測定する場合は環境に伴って生じるゲル内の変化の平均を観測していたが、構造色を示すゲルを観測することでゲルの微細な部分における変化がより詳細に観測できるようになった。このような変化に伴う情報量の増大は、フラスコ内の環境変化に対応した情報をダイナミックに伝えてくれる。"フラスコ内で生じている分子レベルの挙動を、ゲルという材料を通して肉眼で見ることで理解できるようにしたい"という哲学が、本研究提案の根底にある。 本研究では、"様々な構造色を付与したゲルの研究"を通して分かった知見を基に、特定分子との間に、水素結合、双極子-イオン結合、共有結合を形成することで膨潤度を変化させるゲルを構築し、その構造色変化として捕らえることのできるバイオ・ケミカルセンサーの構築を遂行した。その結果、特定のイオンおよびグルコースを検知して、構造色を変化させるゲルを構築することができた。本センサーに利用する構造色変化を利用した光学的検知方式は、従来のセンサーのようなデバイスに大きな電圧を負荷する電気化学的方法や強い光源を利用した方式とは異なり、デバイスにおけるエネルギーのやりとりがほとんどないことから、省電力で材質安定性の高いシステムの開発が可能となる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(10 results)