外的環境制御によるタンパク質の非共有結合性自己集積線維構造への誘導
Project/Area Number |
14045229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高木 昌宏 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (00183434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白木 賢太郎 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (90334797)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | タンパク質 / 凝集 / アルギニン / ポリアミン / タンパク質凝集 / アミノ酸エステル / アミロイド |
Research Abstract |
【背景および目的】タンパク質は、ネイティブ構造を形成することにより、はじめて機能を発揮し、多彩な生命現象を産み出すのである。この「自発的」な立体構造(ネイティブ構造)形成過程をフォールディングと称する。このフォールディングという現象は、アンフィンゼンの仮説として知られている。ところが、現在問題になっているアミロイド病の原因となるアミロイド線維形成は、アンフィンゼンの仮説に伴わない現象である。単量体だけに着目するとネイティブ構造が熱力学的にもっとも安定な構造であるため、アンフィンゼンの仮説は正しい。しかし、多量体まで視野を広げると、タンパク質は正常型と線維型という二種類のエネルギー最小の状態を持つことになり、アンフィンゼンの仮説では説明が付かない。現在までに20種類ほどのアミロイド線維が疾患に関わることがわかっている一方で、非疾患性のタンパク質でも部分的な変性条件下で線維化し、疾患性アミロイド線維と同様に毒性をもつことが最近の研究でわかっている。本研究では様々な非疾患性タンパク質をアミロイド線維へ誘導し、一般則を見出すことを目的とした。 【方法および結果】等電点や分子量、二次構造の異なる51種類のタンパク質を5%エタノール、pH2.0、57℃の条件下で二ヶ月間線維誘導させたのち原子間力顕微鏡で観測した。形状の異なるアミロイド様線維構造を形成する30種類のタンパク質とアミロイド形成しない21種類のタンパク質があった。アミロイドの線維の長さによって形状を二種類(Long Curve、Short Curve)に分類した。線維の形状と二次構造含量を比較した結果、明確な相関関係は得られなかった。しかし、線維の形状とサイズを比較した結果、小さいタンパク質ほど、長い線維を形成する傾向がみられた。アミロイド線維形成はタンパク質のサイズと安定性は重要であるが、アミノ酸配列には依存しない可能性が示唆された。さらに、Long Curveに分類される線維には固有の螺旋ピッチ幅が観測された。螺旋ピッチ幅とサイズに負の相関関係がみられた。タンパク質の素早いフォールディングおよび厳密に構造を管理する機構は、部分的な変性が引き起こすアミロイド形成やそれに伴う毒性を排除するように進化した結果なのかもしれない。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)