東アジア域の雲・エアロゾル相互作用の解明とその放射収支への影響に関する研究
Project/Area Number |
14048229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
早坂 忠裕 総合地球環境学研究所, 研究部, 教授 (40202262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 和明 総合地球環境学研究所, 研究部, 助手 (10353450)
久慈 誠 奈良女子大学, 理学部, 助手 (90260653)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | エアロゾル / 雲 / 間接効果 / 東アジア / 衛星観測 / リモートセンシング / 長期解析 / エアロゾル間接効果 |
Research Abstract |
まず、東アジアにおける過去20年間のエアロゾルの変質を鮮明するために、文献の収集とレビューを行った。それによると、気候研究のためのエアロゾルの長期モニタリングには、エアロゾルの光学的厚さのデータが適していることがわかった。その値は、成都や重慶などの内陸の重工業都市や沿岸部で大きく、また、経年変化については、Luo et al.3)の1960〜1990年の解析結果からは、1980年過ぎまでは中国全体で増加傾向にあったが、その後1980年代はあまり変化していないように見えることが明らかとなった。 次に東アジア域の雲の光学的厚さと雲粒有効半径について、AVHRRデータを用いて解析した。その結果、次のようなことが見いだされた。中国大陸上の水雲は過去20年間に、光学的厚さはあまり変化していないが雲粒有効半径は減少する傾向にある。また、光学的厚さの空間分布は、北部よりも南部の方が大きいが、これは対象とする雲を雲頂温度273K以上で選別したためと考えられる。雲粒有効半径は海域で大きく陸域で小さくなる傾向がある。 さらに、人為起源エアロゾルの影響を調べるために、SO2の年間排出量と雲の光学的厚さ、雲粒有効半径、雲粒数濃度の年平均値の関係を調べた。それによると、SO2の排出量が多い場所では雲粒有効半径が小さいことが示唆された。また、1985年と1995年を比較すると、光学的厚さに関しては大きな違いは見られなかったが、雲粒有効半径では後者の方が領域平均で1μm程度小さく、雲粒数密度は増加するという結果が得られた。これは、SO2排出量全体が増加しているために、硫酸塩エアロゾル濃度が高くなり、その結果雲凝結核が増加して小さな雲粒の濃度が多くなったものと思われる。本研究では対象領域のエアロゾルを直接観測していないので、これらの因果関係については推測の部分も若干含まれるが、全般的には、いわゆるエアロゾルの間接効果を示唆するものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)