作用スペクトル解析による光触媒活性構造の解明と設計
Project/Area Number |
14050007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大谷 文章 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (80176924)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 半導体粉末 / 光触媒反応 / 作用スペクトル解析 / 酸化チタン / アナタース / ルチル / 混合結晶 / 光触媒活性結晶相 |
Research Abstract |
半導体粉末の懸濁液における光触媒反応は、一般の化学反応系と違って、酸化剤・還元剤を必要としないので、副生成物を生じない。酸化チタン半導体などの粉末懸濁液を用いる光触媒反応はバンドギャップエネルギー(Eg)を越えるエネルギーを持つ光を照射すれば起こると考えられており、反応生成物や速度に対する吸収波長依存性はほとんど問題にされてこなかった。しかし、超高速分光法により光励起初期過程を検討した結果、Egと同程度の場合とEgを大きく越えるエネルギーの光を照射した場合では、電子-正孔の再結合挙動が大きくことなることを明らかにした。したがって、全体の反応速度に及ぼす再結合速度の影響のどあいによって、波長依存性が生じることがおおいに期待できる。また、結晶構造がことなる酸化チタンを使う場合にはその吸収波長域がことなるため、作用スペクトルを解析することにより、反応に有効な結晶構造を同定することできると予想される。本研究では、定常光照射下における各種半導体光触媒反応の反応速度(光子利用率)と生成物選択性を調べて作用スペクトルを取得し、これを解析することによって、従来見逃されてきた吸収エネルギーの違いに基づく反応挙動の違いを明らかにするとともに、光触媒反応に有効な活性構造の同定と、反応機構の解析を行った。その結果、アナタース・ルチル結晶混合物酸化チタンを用いる光触媒反応の波長依存性を調べ、吸収スペクトルと比較することにより、アナタース・ルチル結晶相のいずれが光触媒として作用しているのかを初めて明らかにすることができ、同じ酸化チタン粉末を用いても光触媒反応の種類により活性な結晶相がことなることがわかった。結晶構造の影響が明らかになった数種類の酸化チタン試料を用い、光強度を変化させて作用スペクトルを測定した結果、反応系によって、光強度依存性を示す系(酢酸酸化分解)と示さない系(水素発生系)があることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
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