d^<10>電子状態の典型金属酸化物光触媒による水の分解反応
Project/Area Number |
14050044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
井上 泰宣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30016133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 洋 長岡技術科学大学, 分析計測センター, 助手 (50303186)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 光触媒 / 水の分解反応 / d^<10>電子状態 / 典型金属酸化物 / RuO_2坦持 / 分極場 / 電子構造 |
Research Abstract |
本年度の研究では、水の分解反応に対し、新しい光触媒系を確立することを目的とし、d^<10>電子状態の典型金属イオンの中で、4p構造のGa^<3+>,および5p構造のIn^<3+>を含む典型金属酸化物について、水の分解反応に対する光触媒活性を調べ、高い活性をたらす電子構造と局所歪み構造について調べた。Min_2O_4(M=Ca, Sn)およびSn_xBa_<1-x>In_2O_4(x=0.93)に1wt%のRuO_2を担持した光触媒は、Xeランプ光照射により、安定に水素と酸素を生じ、その生成比はほぼ化学量論比を与えた。これに対し、RuO_2担持AlnO_2(A=Li, Na)およびLaInO_3は、Xe光照射条件下で、ほとんど活性を示さなかった。Min_2O_4(M=Ca,Sn)やSn_xBa_<1-x>In_2O_4(x=0.93)は、共に連結したInO_6八面体から構成される。InO_6八面体構造を比較するとMin_2O_4(M=Ca, Sn)とSn_xBa_<1-x>In_2O_4(x=0.93)では、In金属イオンを取り囲む酸素八面体の重心の位置は、In^<3+>の位置よりずれており、InO_6内部に、双極子モーメントを持つ。一方、AInO_2(A=Li,Na)では、InO_6はほぼ正八面体であり、双極子モーメントを持たない。また、1wt%RuO_2担持Mga_2O_4(M=Mg, Sn, Ba)において、Hg-Xe光照射下でM=Mgでは光触媒不活性であるのに対し、M=Sn、およびM=Baの場合には、安定に水素と酸素を与える光触媒作用を示した。M=Mgの場合に、GaO_6八面体は正八面体であり、歪みは存在せず、M=Ca, M=Baでは、歪んだGaO_4四面体から構成され双極子モーメントが存在した。従って、RuO_2担持InおよびGa酸化物において、双極子モーメントの有無と光触媒活性とに良い対応関係が見られた。この結果より、双極子モーメントの存在が、局所的な内部分極場を提供し、光励起での電荷分離を促進することが見出された。密度汎関数法によるパンド計算から、d^<10>電子状態の典型金属酸化物では、価電子帯はO2p軌道で構成され、また伝導帯は広がったsおよびp混成軌道から形成されることが示された。典型金属酸化物では、伝導帯のsおよびp混成軌道はバンド分散が大きく、このため励起電子が高い移動度を持ち,高活性な光触媒作用をもたらすことが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)