高度集積型光機能性ポルフィリン連結金属クラスターの開発
Project/Area Number |
14050065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
矢野 重信 奈良女子大学, 人間文化研究科, 教授 (60011186)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 光機能 / 光増感剤 / ポルフィリン / 金属クラスター / ヘムエリトリン / 電荷分離 / 電子移動 / 酸化還元 |
Research Abstract |
1.当研究室で見い出されたヘムエリトリン類似骨格を持つ複核Ru錯体:M[Ru_2(dhpta)(μ-O_2CR)_<2]>(M=Na, K、R=CH_3,C_6H_5,etc)の一電子還元体は安定な混合原子価状態を持つことが報告されており、酸化還元反応触媒能が期待される。一方、ポルフィリンは、光合成膜のタンパク質複合体に含まれ、光捕集系システムとして、反応中心で光誘起電荷分離を行っている。本研究では、人工光合成システムや環境触媒としての光機能性を兼ね備えた触媒能を持つ光機能性複合体の開発の観点から、以下の研究を行った。 2.カルボキシル基を導入したZn(II)5-(4-Carboxylphenyl)-10,15,20-triphenylporphyrinを光機能性部位を持つ架橋配位子として酸化還元触媒能としての複核ルテニウム錯体に導入することにより、高度集積型複合体である、M[Ru_2(dhpta)(μ-O_2CR)_2](M=K、R=ZnTPP)を合成し、その電気化学的、光化学的性質について検討した。 3.このような巨大な分子において,ヘムエリトリン類似型の複核ルテニウム骨格が保った複合錯体の構築に成功した。電気化学的測定の結果より得られる酸化還元挙動から見積もられるポルフィリンラジカルカチオンからルテニウム核への電荷再結合の自由エネルギー変化、最低励起一重項状態のエネルギーは、この錯体内のポルフィリン部分が電荷分離を起こすのに十分なエネルギーを供給できると考えられる。一重項酸素発生能の結果から、このポルフィリン架橋複核ルテニウム錯体内のポルフィリンは一重項酸素発生以外の経路で基底状態に戻ると考えられ、その経路として電荷分離-再結合が考えられた。すなわち、ポルフィリン部分からルテニウム部分への光励起による分子内電子移動の可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)