Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 利治 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90251339)
小澤 一雅 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教授 (80194546)
魚本 健人 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80114396)
加藤 佳孝 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (80272516)
石田 哲也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60312972)
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Budget Amount *help |
¥31,720,000 (Direct Cost: ¥24,400,000、Indirect Cost: ¥7,320,000)
Fiscal Year 2002: ¥31,720,000 (Direct Cost: ¥24,400,000、Indirect Cost: ¥7,320,000)
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Research Abstract |
本年度に得られた成果は以下のとおりである。 (1)鋼材腐食によって導入される構造ひび割れを,多方向非直交ひび割れモデルによって構造解析に取り込む数値解析法を開発し,マルチスケール統合解析システムDuCOMと結合,構造化した。鋼材表面に形成される腐食生成物を粘弾性体と仮定し,要素内の鋼材軸に直交する方向に内部応力が発生することで周辺コンクリートに亀裂が導入され,その後に導入されるせん断ひび割れとの相互干渉効果を考慮した。せん断破壊先行型の梁モデルを作成し,部分腐食と部材耐力との関係を実験によって検証した。 (2)80度までの高温履歴を受けるRC部材のtension-stiffnessを実験によって明らかにし、初期平均ひび割れ強度で正規化することで,常温時のモデルを高温環境まで拡張できることを示した。 (3)非破壊検査で得られるひび割れ位置と幅を,数値仮想フラットジャッキで構造モデルに導入する数値解析手法を開発した。これを用いて,部材軸方向に熱応力によって導入されるひび割れの影響を,マルチスケール統合解析に取り入れることができることを示した。 (4)温度が変動する環境下でのコンクリートのクリープモデルを,マルチスケール統合解析から得られる細孔構造と熱力学的水分状態の情報をもとに構築した。温度と乾燥状態を変えたモルタルおよびセメントペーストのクリープ実験を実施して,多角的な検証を行った。この際,水分を非極性流体と置換することで影響されるクリープ特性を実験的に解明して,モデル化の基本概念を検証することに成功した。また,水分の平衡状態に及ぼす温度の影響度を層間水,ゲル水,キャピラリー水毎に分離抽出することができ,水分平衡モデルの高度化が可能となった。 (5)温度が変動する環境下でのコンクリート中の塩化物イオンの平衡特性を実験的に解明し,固定塩化物と自由塩化物間の平衡モデルとして表現することができた。
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