ブドウ糖毒性の分子メカニズム解明に向けた転写因子PDX-1の細胞内局在変化の研究
Project/Area Number |
14370336
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梶本 佳孝 阪大, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (60301256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬屋原 豊 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
山崎 義光 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40201834)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥8,400,000 (Direct Cost: ¥8,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
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Keywords | 糖尿病 / 膵β細胞糖毒性 / 転写因子 / PDX-1 / 酸化ストレス / 核内外移行 / JNK / 核外移行シグナル |
Research Abstract |
膵β細胞糖毒性に際するインスリン分泌低下及び生合成障害の分子的背景として転写因子PDX-1の活性低下が関与することが示唆されている。一方、β細胞障害に関わる糖毒性の本態として慢性高血糖下で誘導される酸化ストレスが重要な役割を演じることが示されている。実際、糖尿病動物で減少しているインスリン含量は抗酸化剤治療により顕著に回復するが、興味深いことに、その際、核内に存在するPDX-1が特異的に増加することを我々は認めている。そこで、今回、膵β細胞糖毒性の分子機序解明に向けて、酸化ストレスがPDX-1の細胞内局在を変化させる可能性とその背景となる分子機構を検討した。 膵β細胞由来HIT-T15細胞を使用し、PDX-1の細胞内局在を検討したところ、通常条件培養下で核内に局在したPDX-1が、酸化ストレス下では核外に移行し、この現象は抗酸化剤により抑制されることが、内因性PDX-1及び外来性GFP標識PDX-1にて認められた。更に酸化ストレスによる核外移行に対して、p38MAPK阻害薬が変化をもたらさない一方、JNKの優性阻害型変異体過剰発現は核外移行を抑制し、PDX-1核外移行に関するJNKの関与が認められた。核内移行シグナル(NLS)に変異を導入したPDX-1の検討で、PDX-1のNLS機能は酸化ストレスにより影響されないことが示された。その反面、核外移行シグナル(NES)の特異的阻害剤Leptomycin BはPDX-1核外移行を阻害し、実際にNESコンセンサス配列と相同性を有する配列をPDX-1に同定し、その部位に変異を導入すると酸化ストレスによる核外移行は消失した。 転写因子PDX-1の酸化ストレス応答性核外移行、その経路におけるJNKの関与、及びストレス応答性核外移行シグナルの存在が示唆され、こうした酸化ストレス依存性のPDX-1細胞内局在の変化は糖毒性の分子機構の一端を担うと考えられる。今後は生体内におけるこの系の重要性を検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)