Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
1.ヒトBAT1染色体遺伝子のクローニングおよびBAT1ヒトゲノムのエクソン-イントロン構築の決定(患者解析の準備):ヒトBAT1遺伝子(cDNA)をプローブとしてヒトgenomic DNA libraryからクローニングをおこない全長のシークエンスを解析した。この塩基配列をcDNAの塩基配列と照らし合わせることによりエクソン-イントロン境界を決定した。エクソン-イントロン境界の構築により患者末梢血より抽出した染色体のダイレクトシークエンスによる遺伝子変異解析が可能となった。rBAT遺伝子についてはすでにゲノム構造が公表されている。2.患者解析:シスチン尿症42症例の患者末梢血は患者の同意および院内倫理委員会の承認を得て準備した。患者の末梢血より染色体DNAを抽出し1で明らかとなったエクソン領域にせ設定したプライマーをもちいてPCR法で増幅したのちダイレクトシークエンスをおこないBAT1遺伝子の変異の有無、内容を検討した。r-BAT遺伝子についてもすでに公表されているゲノム構造をもとにプライマーを作成し同様の手法により解析をおこなった。同時に健常人ボランティア50名の血液検体を収集し健常人ついてもr-BAT、BAT1遺伝子のシークエンスをおこないpolymorphismの有無を検討し患者に見いだされた変異から除外することとした。現時点で42症例中27名のシスチン尿症患者につきrBATおよびBAT1遺伝子変異の検索を行った結果27症例中5例に5種類のrBAT変異、22例に6種類のべ26個のBAT1遺伝子変異が検出された。今後残る15検体の解析を完したのち検出した変異遺伝子の機能解析をおこない疾患の責任遺伝子であることを証明する予定である。