Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Research Abstract |
解が存在しない微分方程式として,解析的な係数を持つ楕円型偏微分方程式の初期値問題をとりあげた.昨年度は,初期条件のパラメータの値によって解の存在非存在がコントロールできるテスト問題をとりあげて,差分法と無限精度数値シミュレーション法を比較した.その結果,無限精度数値シミュレーションのみが存在非存在に正確に対応する計算結果を示すことを実証した.ただし,初期条件としては解析関数か低階微分のみ可能な関数というはっきりと区別できるものを採用したので,無限精度数値シミュレーションの有効性を確認しやすい状況であった.本年度は,初期条件として解析関数か無限回微分可能であるが解析的でない関数という究極の状況をとりあげた.メモリ使用量が20GBに迫るような超大規模の並列計算を行ったところ,選点数(近似の次数)を空間方向によって変えないとうまくいかないことが判明した.逆にいえば,選点数(近似の次数)を空間方向によって変えればうまくいくということが判明したのである.即ち,解の存在非存在に関するこの究極の状況下でさえ,数値シミュレーションがうまくできる環境が無限精度数値シミュレーションにはあるという驚くべき事実が判明した.このような直接的な研究以外にも関連する研究として,極座標変換による特異性を回避する公式の発見や進行波解や平衡解の存在や安定性を数値的に示す手法の開発など,様々な微分方程式の数値解析を可能にする手法の開発を行った.
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