超伝導トンネル接合素子を用いた硬X線検出器の基礎開発
Project/Area Number |
14654041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大谷 知行 独立行政法人理化学研究所, 川瀬独立主幹研究ユニット, ユニット研究員 (50281663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 裕彦 独立行政法人理化学研究所, イメージ情報研究ユニット, 研究ユニットリーダー (50249900)
滝澤 慶之 独立行政法人理化学研究所, イメージ情報研究ユニット, 協力研究員 (70312246)
佐藤 広海 独立行政法人理化学研究所, イメージ情報研究ユニット, 研究員 (20300874)
川瀬 晃道 独立行政法人理化学研究所, 川瀬独立主幹研究ユニット, 独立主幹研究員 (00296013)
山下 将嗣 独立行政法人理化学研究所, 川瀬独立主幹研究ユニット, 基礎科学特別研究員 (10360661)
奥 隆之 理化学研究所, イメージ情報技術開発室, 研究協力員 (10301748)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 超伝導トンネル接合素子 / 基板吸収検出器 / X線 / 硬X線検出器 / 分光 |
Research Abstract |
平成15年度は、吸収体として最適な基板材料の検討のために、異方性の強い非線形光学結晶であるLiNbO_3を取り上げ、X線照射実験を行い、標準的に用いられているサファイヤ基板と比較した。このような異方性結晶では強いフォノンフォーカス効果が期待できるため、従来の基板材料に比べて発生フォノンを効率よく集めてエネルギー分解能が向上する可能性がある。用いた基板は、LiとNbの組成比が1:1であるストイキオメトリックな単結晶LiNbO_3基板(Z軸カット)である。これにより、格子欠陥等によるフォノン散乱の効果を抑え、X線光子の吸収により発生する基板フォノンを効率よく伝搬すると期待される。 まず、理研プロセスラインで5-200μm角のサイズのSTJ素子(膜構造はNh/Al/A10x/Al/Nb)を作成し、液体^4He温度(4.2K)、減圧^4He温度(約1.5K)、及び、減圧^3He温度(0.35K)における電流-電圧特性を測定し、従来の基板材料と同レベルのよい品質の素子を得た。 次に、5.9keVのX線をSTJ素子面側から照射し、発生フォノンの性質の評価実験を行った。その結果、サファイヤ基板では、基板フォノンの最大波高が、超伝導電極に直接吸収された時の波高の30%程度であるのに対し、LiNbO_3では60%にも達することがわかった(素子サイズは50μm)。仮にX線吸収位置から見た立体角に比例した数のフォノンが収集されるとすると、他の界面で反射されることなく直接STJ素子に入射するフォノンの最大波高値は原理的に50%を越えない。このことから、LiNbO_3内ではZ軸方向に強い異方性を持ち、入射側とは反対の基板界面で反射されたフォノンも検出されたと考えられる。このように、異方性結晶が基板フォノンの効率よい収集に有効であり、エネルギー分解能の向上を図る上で有効であることが確認できた。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)