多項式展開法を用いた熱力学量の数値計算における超並列化アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
14654068
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (00238669)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
求 幸年 独立行政法人理化学研究所, 古崎物性理論研究室, 研究員 (40323274)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 多項式展開 / チェビシェフ多項式 / 並列計算機 / 並列化アルゴリズム / モンテカルロ計算 / 強相関電子系 / 相転移 / 臨界現象 |
Research Abstract |
多項式展開法(Polynomial Expansion Method)による諸物理量の計算アルゴリズムの改良を行った。量子系の諸物理量の計算では従来はハミルトニアン行列の対角化によって固有エネルギーと波動関数を求める必要があった。このため、計算時間は系の自由度Nの3乗に比例し、系の大きさを増大させることが困難であった。多項式展開法を用いることによって行列対角化ではなく単純な行列の積・和の計算のみで諸物理量を計算することができるため、これによる効率の良い計算アルゴリズムの開発を行ってきた。 今年度、我々は行列積の打ち切り法(Truncated Polynomial Expansion Method)を開発し、計算時間の大幅な短縮に成功した。この方法は、疎行列に対するベクトル要素の局在性をうまく利用したもので、系の自由度が十分大きい場合に計算時間はNによらず一定の値をとる。また、超並列計算についても効率の良い計算速度の加速が認められた。 この方法を用いると、これまで取り扱うことができなかった自由度の大きな系について現実的な時間の範囲で計算可能となった。このため、様々な模型の熱力学的極限や臨界現象などの計算が可能になった。具体的には、二重交換模型、反強磁性的二重交換模型、希薄磁性半導体などのモンテカルロ計算に用いられ、磁性や電気伝導等の解析が行われた。今後さらに計算を進めることによって大きな成果を上げることが期待される。
|
Report
(3 results)
Research Products
(7 results)