分子トラップによるトポロジーの制御と分子触媒への展開
Project/Area Number |
14654109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鍋島 達弥 筑波大学, 化学系, 教授 (80198374)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ホスト-ゲスト / 超分子 / 硫黄原子 / パラジウム錯体 / アルカリ金属イオン / アニオンレセプター / 大環状化合物 / Pincer配位子 / 超分子化学 / 分子認識 / 酸化還元 / 有機硫黄化合物 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、チオール基やジスルフィド結合をもつ大環状ポリエーテルの合成とその分子認識能の検討を行ったが、本年度は特に、配位結合を利用した分子トラップの合成を中心に検討した。まず、Pincer配位子と呼ばれる硫黄原子をもつ化合物と同様な骨格を大環状化合物に二つ導入した分子を合成し、これにパラジウムを導入してPincer錯体部を二つもつメタロホストを合成した。このパラジウム部位は4,4'-ビピリジンやピラジンをはじめとする二座配位子と錯形成して、環内をこれらの配位子が橋かけした二環式ホストとなることが核磁気共鳴スペクトルや質量分析の結果から支持された。この分子は、はじめの環状化合物のほぼ半分の空孔をもつホストであり、分子トラップとしての機能が期待される分子である。現在、各種のゲストとの親和力について検討中である。また、上記の二座配位子の代わりに、塩化物イオンを配位子に用いると、それぞれのパラジウムにこれが配位して、二つの塩素にはさまれた認識場が形成される。この塩化物イオンは部分的な負の電荷を有し、ナトリウムやセシウムイオンなどのカチオン性ゲストをよく取り込むことが明らかとなった。この結果は、外部からのアニオン(この場合は塩化物イオン)の添加によって認識能を制御できるトラップ型分子を構築する上で、このメタロホストが有用な基本骨格となりうることを示している。 現在、以上の成果については複数の論文として投稿中、あるいは投稿準備中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)