シリル基を有する遷移金属錯体によるニトリルのC-C結合切断反応
Project/Area Number |
14654123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中沢 浩 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00172297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 和幸 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90263665)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | C-C結合切断反応 / シリル鉄錯体 / アセトニトリル / シリルイソシアニド / C-C結合切断 / シリル転位 / 鉄錯体 / 密度汎関数法 |
Research Abstract |
シリル基を有する鉄錯体であるCp(CO)_2FeSiMe_3とジアミノ置換ホスファイトを含むアセトニトリル溶液に光照射を行うと、鉄-メチル錯体と鉄-シアノ錯体が生成し、これよりアセトニトリルのC-C結合が切断されることを明らかにした。この反応にはシリル配位子が必須であることも分かった。共存リン化合物としてPPh_3やPMe_3を用いても同様のC-C結合切断反応が起こることが分かった。また、アセトニトリルの代わりにベンゾニトリルを用いてもC-C結合切断が起こる。理論計算より、この反応はまず光照射により生じた配位不飽和種のCp(CO)FeSiMe_3にニトリルがエンドオンで配位し、その後サイドオン配位へ変換し、それから鉄上のシリル基がニトリルの窒素に転位してイミノ錯体となる。その後C-C結合が切断されて、メチル-シリルイソシアニド錯体となる。反応後、系中に存在する有機物を調べたところシリルシアニドの生成は確認されたが、理論計算から予想される中間体はいずれも単離できず、またスペクトル的にも検出できなかった。これに対して、Cp(CO)_2FeSiPh_3にPPh_3共存下アセトニトリル中で光照射を行ったところ、赤色結晶を得ることができた。この錯体のX線構造解析より、Cp(PPh_3)(Me)Fe-(CNSiPh_3)が生成していることが明らかとなった。各種NMR測定により、この錯体は溶液中でもこの構造を保持しいていた。これより、理論計算で推定した反応機構の妥当性が支持された。シアノ錯体の生成についても理論計算を行った。シリルイソシアニド錯体からシリルイソシアニドが解離し、シリルシアニドへの異性化し、その後鉄に配位して最終的にシアノ錯体へと変換する経路を提案した。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)