Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
シリカ表面上のパッチ状金薄膜をパルスレーザー加熱することによりサイズの均一性が高い球形金微粒子が得られた。 まず,シリコン基板に,熱酸化,フォトリソグラフィ,エッチングなどの微細加工技術を施し,シリコンからなる台座(〜4μm角)の上にシリコン熱酸化膜(〜10μm角)が形成されたテーブル状の構造が周期的に配列した基板を作製した。その上に膜厚30〜70nmの金薄膜を真空蒸着法によって堆積させ,それぞれが独立したパッチ状の金薄膜を得た。この試料に対して,ナノ秒パルスNd : YAGレーザーの2倍波(波長532nm)1パルスを照射し,金薄膜を加熱した。パルス幅は6ns,パルスエネルギー密度は,70〜140mJcm^<-2>の範囲で実験を行い,薄膜の形態変化を走査電子顕微鏡によって観察した。膜厚40nmの金薄膜の試料に対して,100mJcm^<-2>の1パルスを照射した場合,それぞれのパッチ状金薄膜がほぼ1個の球形微粒子へと形態を変えることがわかった。金粒子の直径は,1.9〜2.2μmであり,これは,パッチ状薄膜の金が1つの球へと変化した場合に予想される直径2.1μmとよく一致した。なお,薄膜の初期反射率(〜0.7)を考慮すると,この照射条件は薄膜を十分に融解しえるものである。この方法では,初期の金薄膜が厚いほど1個のパッチ全体の単一微粒子への形態変化が生じやすい。 基板としてテーブル状の構造を用いることにより,パルスレーザー加熱時の薄膜から基板への熱移動は,主として薄膜の中心部で生じるため,加熱時において,薄膜の中心部の温度が外縁部の温度に比べて低くなる傾向にある。そのため,薄膜は外縁部から融解し,外縁部から中心部に向かって収縮しやすい。よって,1個のパッチ状薄膜は複数の部分に分断されにくく,最終的に1個の微粒子が生成されたと考えられる。
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