Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究では,上記のバイオプロセスの問題を解決すために,嫌気性バイオプロセスを促進させる方法のうち従来から提案されている静水圧法と超音波法のそれぞれの長所を生かした方法として,衝撃波を静圧法によって生成した気泡を含む細胞破壊に作用させ,効率的な細胞破壊を行う方法の破壊処理速度の向上を目指すための基礎的な現象の解明を目的とする.つまり,立ち上がり周波数(数ナノ秒と言われている)が高く,数百MPaの高い圧力レベルの衝撃波を使って効率よく細胞を破壊し,エネルギーが小さいことで超音波を用いた場合に比べて熱的影響が小さいというのが本研究のポイントとなる. 具体的には,細胞壁のような弾性膜(シェル)に囲まれた中にあるバブル(気泡)の衝撃波による変形および壁自身の変形のマイクロスケールでの運動の解析,数学的にいえば,柔軟壁,気泡,水の過渡的な連成振動問題を顕微鏡等のマイクロスケール上で実験的に観察および解析することにある. 本年度の結果として以下の2点が得られた. (1)バブル封入マイクロカプセルの変形挙動の数値解析およびその数理モデルの再構築(数値計算) 過去の研究で開発された衝撃波による1個の細胞の変形挙動の数理モデルを,内部に気泡がある場合に拡張し,その変形挙動を数値予測する.このとき,マイクロカプセルの膜の力学的物性値(ヤング率,ポアソン比),膜厚,カプセルの大きさ,および封入する気泡の大きさを考慮して,入力となる衝撃波の周波数および最大圧力(または,マッハ数)を用いて動的に解析し,モデルの拡張の妥当性ならびに最適な最大圧力(しきい値)ならびに波形を調べ,その妥当性について検討した. (2)パルスレーザを用いた衝撃波による移動バブル封入マイクロカプセルの変形挙動の観察と損傷実験(計測実験・損傷実験) 連続型バイオプロセスにおいては流れ場中に細胞(カプセル)を流入することに対応するため,(1)の結果を利用して,水の流体回路を設け,その中を移動するバブル封入マイクロカプセルに衝撃波を作用させて,その瞬間的変形挙動および回路全体で破壊するカプセル量,すなわち漏洩薬物量を調べる損傷実験を行い,前年度までに行われたカプセル変形挙動観察による基礎的な変形挙動ならびに破壊のデータが適合するかどうかを比較・検討した.結果として,レーザ出力のファイバーでの出力低下およびファイバー端面と水面の界面でのエネルギーの損失が大きく,バイオプロセスで効率よく細胞を破壊できる(マイクロジェット生成する)ほどの衝撃波の強さが得られなかった.
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