Project/Area Number |
14655113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八百 隆文 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60230182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 貴 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80211481)
張 志豪 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (60333879)
岡田 修司 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (30250848)
牧野 久雄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40302210)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 有機FET / 有機機能デバイス / MIS構造 / アントラセン / 電気特性 / 有機薄膜 |
Research Abstract |
当初はペンタセン、アントラセン等の芳香族分子結晶の高純度化と単結晶育成による機能デバイス開拓を目的としていた。そのため、原料精製装置と単結晶育成装置を試作し、アントラセン単結晶の精製と育成を行った。光学評価からは、不純物の少ない単結晶が育成されていることを確認した。しかし、電子移動度はこの物質系の標準的な値の0.1cm2/Vsレベルであった。この間、ベル研のショーンの研究グループのデータ捏造事件が明らかになり、また、彼らのグループの報告を除いた状況での文献検討を行なったところ、アントラセン、ペンタセン単結晶による機能デバイスの可能性が得られないことがわかった。このため、新たな機能デバイスとして、有機ゲートFETの可能性を探求することとした。この狙いは(1)半導体プロセスの簡略化、(2)半導体デバイスと有機デバイスのカップリング、(3)フレキシブルエレクトロニクスへの展開、であった。試作した有機膜ゲートMISFET作成するための予備実験として、まず、Au/アントラセン/GaAs構造をリフトオフプロセスを利用して作製し、電流-電圧特性、容量-電圧特性を測定し、アントラセン膜がFETゲート膜として使用できるかどうかのチェックをした。電流電圧特性からバリヤー障壁が0.6eV、ダイオードのn値も1.8と見積もられた。この結果は容量-電圧特性は結果とほぼ一致した。これらの原因として、Auのアントラセン中への拡散による電極特性の劣化、GaAs表面での界面準位形成などの原因が考えられる。そこで、GaAs表面をNH4Sによる硫化処理を施し、GaAs表面準位をGa-S結合で終端して表面準位密度を減少させた上でアントラセン膜を蒸着してMISダイオードを試作して特性評価を行なった。その結果、バリヤー障壁は0.7eV、ダイオードn値は1.6と見積もられ、若干の特性改善がなされた。以上の結果より、有機膜ゲートMIS構造はゲート電極、ゲート有機分子膜を適切に選ぶことで、充分動作可能であると考えられ、今後更なる研究の推進が必要である。
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