Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
近年,光通信用デバイスの可動機構としてMEMS技術を用いたマイクロアクチュエータが応用されている。このようなマイクロアクチュエータの多くは静電型で,可動距離が10〜200μmと小さく,また,静止保持力がないという問題があった。最近では波長可変光源用などで,可動距離が大きく,静止保持力を有したアクチュエータへの要求が高まっている。そこで本研究では,光通信用デバイス等の直動機構に適用できる,1000μm以上の可動距離を有し,位置保持ができる超小型アクチュエータとして,基板上への製作が容易な弾性リッジ導波路を用いた進行波型マイクロ超音波リニアモータを提案し,その実現方法を検討した。 まず,本モータの動作を実証し,構成方法を検討するために,アクリル樹脂製の5mm×15mmのリッジ導波路を試作した。基本モードのみのシングルモードとなる周波数21.7kHzで駆動することによって,進行波が励振されていることを確認した。振動源近傍で高次モードが発生しているが,すぐに減衰し,導波路全体でほぼ基本モードのみが励振されている。また,基板部分では導波路と比較して,10〜20分の1程度の振動振幅になっていることを確認した。スライダとの接触場所は導波路側面上部が適当であることを実験的に見出し,スライダ移動速度約33mm/sを得た。 次に,マイクロ超音波リニアモータ実現のために,36°回転Y板X伝搬タンタル酸リチウム基板上へ導波路幅60μmの微小リッジ導波路を製作する方法とリッジモード振動の励振方法を検討した。ダイシングマシンを用いて微小リッジ導波路を製作することを考え,ダイシングソーの回転数30000rpm,送り速度0.1mm/sで多段切りを行うことにより,切削による導波路の破砕を数μm程度に抑えられることを確認した。また,振動の励振方法としては共振周波数約10MHzの交叉指電極(IDT)により基板上に励振されるSH-SAWによって,導波路にリッジモード振動を励振する方法を検討した。基板上に水滴を落とした場合,IDTの入力アドミタンスの周波数特性が変化したので,IDTからSH-SAWが励振されていることが確認できたが,十分な強度のリッジモードの励振には至らなかった。
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