Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Research Abstract |
本年度の研究では,アダプティブ構造の一形態としてバリアブルダンパーの適用について検討を行った.昨年度の研究では,見かけ上負の剛性と正のエネルギー吸収性能をもったデバイスとしてバリアブルダンパーのセミアクティブ制御を行うことにより,長大橋の耐震補強による改善に適用する検討を行ってきたが,本年度はこの擬似負剛性セミアクティブ制御手法が高架道路橋の地震時応答を低減する手法としても有効であることを明らかにするための解析的検討を実施した.従来法として,粘性ダンパーによるパッシブ制御や免震支承を適用したものとの地震時応答の比較を行い,擬似負剛性セミアクティブ制御は構造物の見かけの固有周期を長くすることが可能であり,最大加速度応答の低減に効果的であること,既設のゴム支承の剛性を低くして,橋梁全体系を長周期化することで,擬似負剛性ダンパーの適用による地震時応答低減効果が向上することなどが明らかとなった.また本制御法を免震支持された液体貯蔵タンクの制震デバイスとして適用した検討も実施している.負剛性セミアクティブ制御手法をMRダンパーを用いて実現する方法についても検討し,その効果をリアルタイムハイブリッド試験により構造物に適用した場合の応答低減効果を実験的に検証した.その結果,MRダンパーにより構成した制御システムは,ほぼ想定された復元力特性を発揮できることを確認した. また免震支承に求められる常時と地震時の性能を分離して設計できる機能分離型免震システムを採用した際に問題となる軸力変動の影響を検討するために,床組の振動台実験を実施した.その結果,軸力変動が生じる場合でも既往の地震記録レベルでは応答値およびエネルギー吸収性能にはほとんど影響がないことを確認した.
|