Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
さんご礁海域における地盤は,さんご礁に棲息する動物性および植物性の石灰質生物の遺骸の堆積物,あるいはこれらが過去の氷河性海水面変動にともなう溶解と再結晶の循環により固結したもので形成されている。本研究では,セメンテーションの発達を促すことによりさんご礁石灰質堆積物の地盤工学的性質を改良することを目的として,土粒子間に炭酸カルシウム結晶を人為的に生成させる手法について検討した。石灰質堆積物の工学的分類およびビーチロックによるセメンテーション状況の検討を行うとともにセメンテーションを促す一手法を用いて固結した砂について強度特性を調べ,それらを石膏およびセメントで固結した砂の挙動と比較した。主な成果を以下に示す。 (1)石灰質堆積物の工学的位置づけにはシルト,砂,礫の粒径による分類の他それらの堆積物の固結の程度が重要となる。また,石灰質シルトの細粒土では陸源の非石灰質土の含有量も分類の尺度となる。 (2)ビーチロックの構成物は周辺の砂とほぼ同じであり,顕微鏡観察によると粒子接触面に結晶化した膠結物質がみられる。また,ビーチロックは潮間帯にみられることからセメンテーションの発達には乾燥履歴が関係する。 (3)炭酸カルシウムの生成によるセメンテーション発達のプロセスとして,炭酸ナトリウムと塩化カルシウムの反応,炭酸水素ナトリウムと塩化カルシウムの反応,炭酸カルシウム溶解液を利用して,石灰質砂について試薬との質量混合比,試薬の濃度,反応時間,乾燥条件を種々変化させ,試行錯誤により固結度を調べた。その結果,ある質量比の炭酸ナトリウムと石灰質砂に適切な濃度の塩化カルシウム溶液に浸し乾燥させることによりセメンテーションの発達がみられた。 (4)固結した砂の一軸強度はゆる詰めで60kPa,密詰めで100kPa程度を示し,それらの値は石膏20%添加砂とほぼ同程度で,セメント5%添加砂より大きな値を示した。
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