Project/Area Number |
14655320
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中戸 義禮 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70029502)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 二酸化炭素 / 地球温暖化 / 電気化学的還元 / イオン性液体 / 過電圧 / メタン / エチレン / 一酸化炭素 |
Research Abstract |
銅電極を用いる二酸化炭素の電気化学的還元反応によってメタン、エチレンなどの有用な有機物質が得られることが知られている。しかしまだ過電圧が大きく、このためにこれだけでエネルギー変換効率が50%以下に低下してしまう。本研究では、CO_2電解還元の過電圧の低下を目的に、200から250℃の高温でのCO_2の電解還元を検討した。このような研究はこれまでにまだなされていないので、まず電解質として有機溶融塩(イオン性液体)を考え、種々の溶融塩を検討した。この結果、200℃という高温下かつ金属電極や二酸化炭素の存在のもとでは、多くの有機溶融塩は熱分解を起こし、黒褐色化して、一酸化炭素、メタン等のガスを発生した。最終的にはEMI_TMSI(EMI=1-ethyl-3-methylimidazolium cation, TMSI=bistrifluoromethanesulfonimide anion)が最も安定であることが判明したので、これを使用した。水素源には有機酸や水を用いた。また電極には銅、ニッケル、パラジウム、白金等の金属板を用いた。CuおよびNi電極を用いた場合には、ともに高温にすると、CO_2還元の電流が室温の場合より正の電位から立ち上がり、過電圧が低下することが明らかとなった。さらにCO_2還元の電流が水素発生電流より正の電位から立ち上がることも判明し、高温下では、室温の場合とは異なり、水素発生よりもCO_2還元が優先することが明らかになった。還元生成物としてはCO、CH_4、C_2H_6などが生成した。ただし、再現性が悪く、還元生成物については確定的な結論を得るまでにはいたらなかった。還元生成物の再現性の悪さの一つの原因として、電極表面上に生成するCO_2還元の中間体が電解質溶液であるEMI_TFSI(ないしはここに含まれる不純物)と反応していることが考えられる。
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